1994 Fiscal Year Annual Research Report
健康作りに活用できる栄養調査方法の開発と妥当性の検討
Project/Area Number |
06670414
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
喜多 義邦 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80161462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 良子 今治明徳短大, 生活学科, 助教授
山川 正信 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70110567)
岡山 明 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (60169159)
上島 弘嗣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70144483)
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Keywords | 量・頻度法 / 栄養調査 / フードモデル / 24時間思い出し法 |
Research Abstract |
疫学調査においては、集団の食生活を把握するだけでなく、個人の栄養素摂取量と疾病の因果関係を追及し疾病を予防するために個人についての栄養調査が必要とされるが、そのための方法が未だ正しく確立していない。そこで我々は実物大のフードモデルを用いた食品摂取頻度・摂取概量法(量・頻度法)を開発した。この量・頻度法の栄養調査としての有用性を検討するために、地域住民の同一対象者64名(男女40歳から69歳)について、量・頻度法と24時間思い出し法の二つの方法で栄養調査を行った。量・頻度法による栄養素摂取量は、エネルギー2258kcal、タンパク質851g、脂質53.6g、糖質319.4g、エネルギー比率は、タンパク質15.1%、脂質21.4%、糖質56.6%であった。量・頻度法は、24時間思い出し法に比較し、エネルギー、タンパク質、脂質、糖質の摂取量は、平均25%多く、食品群別摂取量もほとんどの食品で多かった。エネルギー比率は脂質で一致した。エネルギー、三大栄養素の摂取量、エネルギー比率の個人の値は、二つの方法間で有意な正相関を得た。食品群別摂取量もほとんどの項目で有意な正相関を得た。また、24時間思い出し法で得られたエネルギー、三大栄養素の摂取量とエネルギー比率を3群にカテゴリー化して検討した結果、量・頻度法との間に正の相関が認められた。この調査法で得られたエネルギー、三大栄養素の摂取量は、国民栄養調査結果より多いがそれに近い値であり、エネルギーや三大栄養素の把握は可能であった。この調査法は、特別な技術を必要とせず、事前にこの調査法の指導をうけた調査員で可能であった。以上の結果から、この調査法は、地域住民の食事状況を集団として把握する方法として有用であることが示された。
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