1995 Fiscal Year Annual Research Report
モノクロナール抗体を利用したインフルエンザの迅速診断
Project/Area Number |
06670443
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Research Institution | OSAKA PREFECTURAL INSTITUTE OF PUBLIC HEALTH |
Principal Investigator |
前田 章子 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (40250279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加瀬 哲男 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (10175276)
奥野 良信 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, ウイルス課長 (30112064)
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Keywords | インフルエンザ / インフルエンザウイルス / モノクロナール抗体 / 酵素抗体法 / PAP染色 / 診断法 / 迅速診断 |
Research Abstract |
我々は、インフルエンザウイルス感染細胞を酵素抗体法の一種、PAP法による免疫学的染色法で可視化することにより、感染後24時間以内にウイルスの存在を証明することを既に開発したいる。 前年度、既に作製したインフルエンザウイルスAH1、H2型共通な抗原決定基に反応するモノクロナール抗体、AH3型共通に反応するモノクロナール抗体、及びB型ポリクロナール抗体をPAP法一次血清として使用することにより、インフルエンザ標準株、及び患者由来検体を感染させた細胞上で反応条件を設定、感染及び感染型鑑別を試み、迅速に感染細胞上での型鑑別が可能である事を確認した。同時に、従来のウイルス分離法と感度検定を行なったところ、従来のウイルス分離に比べ70%程度の感度で検出可能であり、感度は劣るが、迅速に感染及び型鑑定の情報獲得に有用である成績を得た。この感度が劣る原因の一つとして、検体中のウイルス量が一定量でないため、細胞に接種されるウイルス量のバラツキが考えられる。この点を考慮し、本年は、従来の分離法に従い検体を細胞に接種、24時間一段増殖させた後に培養上清をプール、このサンプルを更にマイクロプレート上に接種20時間後に固定、PAP染色し、感染及び型鑑別を行こなうことにより感度上昇を試みた。68検体について検討した結果、従来のウイルス分離(二代継代の結果)陽性29件、迅速診断陽性21件と感度は前年度と大差が認められなかった。しかし、分離一代陽性の結果と比較すると、21/22であり、感度差は認められない。従って、ウイルス分離等には、検体中のウイルス量のバラツキはさけられない点であり、特に、インフルエンザ感染のように流行全体像を早期に把握する必要がある場合、前年度に得られた反応条件による迅速診断法により、単に患者診断だけでなく、早期に情報を得るに適した方法である。
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Research Products
(1 results)