1994 Fiscal Year Annual Research Report
酸素欠乏時における成熟ラット培養心筋細胞の形態学的変化及び漏出物質の測定
Project/Area Number |
06670465
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
的場 梁次 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (20107056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前野 善孝 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (00145749)
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Keywords | 酸欠 / 成熟ラット / CPK / LDH / CPN / 単離心筋細胞 / Caイオン |
Research Abstract |
我々は、成熟ラット心臓を摘出・酵素処理することによる心室心筋細胞単離の条件を種々探ってきたが、95%以上のrod cellを単離培養するための条件をほぼ確立した。すなわち、 1.心臓にかかる灌流液の圧力を適正にするため、独自に作製した圧力調製塔を連結した。灌流液の流速を調整しつつ、灌流圧を調整塔内の水柱高としてモニターし、時間経過とともに観察することで心臓の状態をつかむことが可能となる。 2.単離のための酵素の組み合わせを検討した。コラゲナーゼにトリプシンとプロナーゼを少量添加し、良好な単離細胞を得ることが出来る。またこの際pH調整も重要である。 3.灌流液中のCaイオン濃度も重要である。我々は培養液の希釈系列を作り、段階的にCaイオン濃度を上げて細胞へのダメ-ジを減少させている。 4.遠心分離の手法で細胞を単離する際の回転数や遠心時間等も最適なものを見出した。 更に我々は、得られた培養心筋細胞を用いてin vitroでの酸欠状態における形態学的及び生化学的変化を観察すべく、その実験系の確立をめざした。あらかじめ培養液をN_2100%ガスでパ-ジ(2時間)して酸欠状態を模し、15、30、及び60分後の培養細胞の変化を観察した。対照にはO_295%CO_25%混合ガスを用いた。 光顕レベルでの検討を行ったところ、酸欠時間が長いほど形態変化が大きかった。細胞全体が収縮し矩形を呈する。しかしN_2100%ガスはパ-ジ後のpHが8.4と著しく高くなることがわかり、細胞形態の変化はpH変化によるのではないかと危惧されていたので、これを是正すべく5%CO_2を混合することにした。この場合のpHは7.3で、実験に供することが可能となった。 今後の上記に加えて電顕レベルでの観察や漏出物質の測定を行う予定である。
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