1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06670914
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石垣 武男 名古屋大学, 医学部, 教授 (60094356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 隆司 名古屋大学, 医学部, 助手 (60242864)
深津 博 名古屋大学, 医学部, 助手 (70228865)
山田 哲也 名古屋大学, 医学部, 助手 (30252240)
池田 充 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50184437)
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Keywords | PET / FDG / 放射線治療 / 悪性腫瘍 / 治療効果判定 / 治療効果予測 |
Research Abstract |
ポジトロンCTを用いることで、悪性腫瘍の放射線治療の効果判定、および治療開始初期において効果予測が可能かを検討するため、^<18>F-FDG(2-fluoro-2-deoxy-D-glucose)を用いたPET(ポジロトンCT)を胸部悪性腫瘍患者に対して行った. 遠隔転移のない胸部悪性腫瘍患者18例を対象とし、放射線治療開始直前、治療開始初期(薬20Gy照射時点)、治療終了後の計3回スキャンを行った.治療開始前には全症例において腫瘍部へのFDGの強い集積を認めた.治療終了後では多くの症例でFDG集積低下を示したが、2例において治療終了後も依然高い集積を認めた.この2例は腫瘍体積の減少もほとんどなく、治療期間中に遠隔転移をきたすなど病例の悪化を認めた.一方で、治療開始初期における集積は多様であり、治療終了後の集積や治療終了後の腫瘍体積の変化とも一定の傾向は観察されなかった.治療終了後の予後、再発の有無については現在経過観察中であるが、治療終了後に腫瘍全体ではFDG集積低下を示した症例でも、その一部に強い集積が残存する例が見られた.腫瘍の部分的な残存を疑わせる所見と考えられ、従来の画像診断法では難しい、再然、再発の予測に有効と考えられる. 以上の結果により、FDGを用いたPETは悪性腫瘍の治療効果判定においては有効性が示唆されたが、治療開始早期の効果予測に関しては現在までのところ有効な結果は得られていない.しかし今後症例数を増やし、長期の経過観察を含め、より詳細に検討する必要があると考えられた. 担癌動物を用いた基礎実験は十分な組織学的検討、増殖能の検討が完了しておらず、現在継続中である.
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