1994 Fiscal Year Annual Research Report
体腔内コイルを用いた前立腺癌のリン及びプロトン化学シフト画像の有用性に関する研究
Project/Area Number |
06670923
|
Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
杉村 和朗 島根医科大学, 医学部, 教授 (00136384)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 淳 島根医科大学, 医学部, 助手 (00212887)
吉川 和明 島根医科大学, 医学部, 助手 (70200954)
|
Keywords | MRスペクトロスコピー / 化学シフト画像 / 前立腺癌 / 体腔内コイル |
Research Abstract |
目的:前立腺癌の診断において有用な画像診断法であるMRIを用いても、検出困難な癌があり、発見された癌の活動性の判定もできない。画像診断では限界があるため、前立腺内の代謝物質をMR spectroscopyで知り、その分布情報を画像化できれば、癌の早期診断、活動性の判定に役立つ。今年度は^1H用の体表コイル及び直腸内コイルを用いて、正常前立腺の局在スペクトルの測定(single-voxel法及びmulti-voxel法)を試みた。 対象及び方法:対象は健常男性2名(30歳、50歳)で、1.5T超伝導MRI装置(Philips社製ACS)を用い、送信は躯幹コイル、受信は付属の^1H用体表コイル(直径15cm)と直腸内コイルを使用した。まず体表コイルを下腹壁に固定し、single-voxel法(PRESS法)で繰り返し時間(TR)1500msec、エコー時間(TE)136msecにて測定した。次に直腸内コイルを挿入し、multi-voxel法(2D-CSI法)で2^*2^*2cmのサイズのvoxelを前立腺を中心とする位置に4^*4個得た。 結果:体表コイルによる測定では、前立腺に最も多く存在するクエン酸のピークは同定できたが、その高さは低く半値幅も大きいため、代謝画像にすることが不可能であった。直腸内コイルを用いたmulti-voxel法では体表コイルによる方法にくらべ、良好なピークが得られ、前立腺全体を4領域程度に分けてスペクトル表示することができた。しかし、代謝画像にするにはまだ信号が弱く、コイル改善の余地があった。 結論及び展望:正常前立腺の^1Hを対象としたmulti-voxel spectroscopyを得ることができた。今後は、コイルの改善により良好なピークを得、代謝画像を作成するとともに、前立腺癌症例における検討も行なう予定である。
|
Research Products
(1 results)