1994 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧の原因としての糸球体メサンギウム細胞機能異常の分子細胞生物学的解析
Project/Area Number |
06671130
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中尾 彰秀 東京大学, 医学部(病), 助手 (10159056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 まみ子 東京大学, 医学部(病), 助手 (60261963)
奥田 俊洋 東京大学, 医学部(病), 医員
谷口 茂夫 東京大学, 医学部(病), 助手 (50188380)
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Keywords | PGE_2 / PAF / 受容体 / RT-PCR |
Research Abstract |
腎ネフロンには種々のホルモンが作用し腎の濾過機能、水電解質代謝の調節を行っている。また同時に腎はprostaglandin E2をはじめとするPGsを産生するとともに機能的な支配をうけていることもよくしられている。そこで我々はネフロンに沿ったhormoneとPGsの作用とその生理的役割について細胞生物学的及び分子生物学的なレベルにまで掘り下げ解明するため、まずそのhorumone,PGsの受容体の分布を明らかにし、さらにその定量化を試みた。まずmutationを導入したRT primerを用いたRT-PCR法によってPGE2受容体のisoformであるEP3の分布とその定量化を行った。この方法の特長はmutant RT primerを使用することによって、細胞一個あたりの量が決まっているgenomic DNAとmRNAの量の比較が可能となり、genomic DNAを基準としたmRNAの定量化ができることである。その結果、EP3受容体mRNAは主として遠位尿細管に分布し、近位尿細管には存在しないことが明かとなった。ただし幼若なラットでは近位尿細管にも存在し、週齢によってその分布が異なることが明らかになった。次いで培養メサンギウム細胞を用いて、PGsと同様eicosanoidの一種でメサンギウム細胞の細胞内カルシウムの上昇をもたらし、DNA合成を促進する、PAFの受容体mRNAの検討を行った。その結果、PAFは1時間程度の短時間では細胞内カルシウムの増加を介してPGE2の産生を刺激し、このPGE2がcAMP増加を介してPAF受容体mRNAをdown regulationをすることが明かとなった。また高血圧モデルである自然発症高血圧ラットの培養メサンギウム細胞を用いてこの種のラットでは細胞外液クロライドに対するPGE2の産生が低下していることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] AKihide Nakao: "Effects of PAF on the PAF recepton mRNA expression and its signal tramsduction in cultured mesangial cells." Journal of the Americum Society of Nephrology. 5. 682-682 (1994)
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[Publications] Shigeo Taniguchi: "Detection and quantitation of EP_3 prostaglandin E_2 recepter mRNA along mouse nephron segments by RT-PCR." American Journal of Physiology(Cell Physiol.35). 266. C1453-C1458 (1994)
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[Publications] Shigeo Taniguch: "EP_3 Prostaglandin mRNA is expressed in proximal tuble in young rat but not in adult rat." Journal of the American Society of Nephrology. 5. 686-686 (1994)
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[Publications] Toshihiro Okuda: "Modification of mesangial cell function by chloride is attenuated in spontaneously hypertensive rats." American Journal of Physiology(renal flid electrolye physiol.35). 266. F586-F591 (1994)
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[Publications] Fumi Takemoto: "Desensitization of endothelin-1 binding by vasopressin via CAMP-mediated pathway in rat CCD" American Journal of Physiology. (in press).