1994 Fiscal Year Annual Research Report
電気インピーダンス法による病的肝即ち、慢性肝炎肝硬変の虚血容性に関する研究
Project/Area Number |
06671260
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
酒井 聡 岐阜大学, 医学部, 助手 (80225755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 直基 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員
山内 希美 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員
千賀 省始 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (20226690)
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Keywords | 電気インピーダンス / 肝虚血再灌流障害 / 胆汁流量 / 脂肪肝 / 肝硬変 |
Research Abstract |
ラット正常肝の虚血再灌流実験を行ない、電気インピーダンスを測定した。その結果、抵抗率(ρ)は周波数によって異なるが、1kHzおよび10kHZにおいて以下のごとくの知見を得た。ρは肝虚血後直ちに増加したが、虚血後40分で最高値を示した後、再灌流直前まで徐々に低下した。この最高値をρ^1、再灌流直線をρ^2とすると、ρ^2/ρ^1は再灌流後60分における胆汁流量の回復率と有意は正の相関を認めた。以前の実験で胆汁流量の回復率は虚血障害肝のviabilityの適切な指標であるとの知見を得ており、ρ^2/ρ^1は虚血障害肝のviabilityを予測する指標となることが示された。 コリン欠乏食投与により作製したラット脂肪肝の虚血再灌流実験では、ρは正常肝と同様に虚血後増加したが、正常肝に比して緩徐であった。 臨床における肝切除術時に電気インピーダンスを測定すると、正常肝ではラットにおける実験のごとく虚血後直ちに低下し、虚血後50分前後で最高値を示した後、徐々に低下した。脂肪肝、肝炎後硬変肝では虚血後の変化は正常肝に比して軽度であった。したがって、虚血後にρの変化が軽度なものは、病的肝のうち脂肪肝、肝炎後硬変肝であると診断し得る可能性が示唆された。
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