1995 Fiscal Year Annual Research Report
動脈拡張性病変の早期診断のための血管内皮細胞の分子病理学的研究
Project/Area Number |
06671325
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長嶺 進 東北大学, 医学部・付属病院, 助手 (60250768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 直樹 東北大学, 医学部・付属病院, 講師 (70241635)
貞弘 光章 東北大学, 医学部・付属病院, 助手 (80250778)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 動脈硬化 / 動脈瘤 / 老化 / ミトコンドリア / 酸化的リン酸化 / Mn-SOD |
Research Abstract |
1 動脈硬化は種々の危険因子によって引き起こされるが、一方、内皮細胞の生理的な老化の側面もある。細胞がfunctionするには、嫌気性代謝、好気性代謝を問わず高エネルギーリン酸を産生する事によって成立する。この過程で酸素を消費し、superoxideを生成することで細胞障害を引き起こし、ミトコンドリアのエネルギー産生システムを破壊し、老化へと進むのではないかと考えた。in vivoでは白血球によるsuperoxideの修飾を除外できないが、in vitroでは純粋に細胞呼吸によるsuperoxide産生や、その消去系について測定可能である。 2 20%O_2静止培養系でconfluentとなったヒト大動脈内皮細胞のMn-SODをELISA法で測定し、酸素分圧、継代数による内皮細胞の老化度を評価することを計画した。 3 酸素分圧の高い条件ではsuperoxide産生が増加し、並行してMn-SOD濃度が上昇することが明らかになった。 4 Mn-SOD濃度とCu, Zn-SODとの関係、Mn-SODの作用の確認、Mn-SOD誘導のメカニズム等明らかにしなければならない問題が数多く残されており、次年度に解明しなければならない課題である。 5 この結果より、血清学的に血管内皮細胞の老化度を推定できる可能性が示され、当初の目的である動脈硬化の早期診断の可能性が示唆された。
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