1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671448
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
灰田 信英 金沢大学, 医療技術短期大学部, 教授 (00135089)
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Keywords | 廃用性筋萎縮 / 若年性筋萎縮 / 組織化学 / アリジン・オレンジ染色 / 神経・筋接合部 / 運動療法 |
Research Abstract |
神経難病、脳卒中、あるいは高齢などによる寝たきり患者に併発する廃用性筋萎縮の予防や改善を目的に、後肢懸垂ラットを用いて、運動療法の効果について検索した。本年度は特に老齢ラットに、老年性の筋萎縮、さらにこれに後肢懸垂による廃用性の萎縮が加わった場合の、トレッドミル走行による運動効果について、ヒラメ筋を材料に検討した。ミオシンATPase染色による筋細胞径の計測結果より、4週間の運動後、老年性の筋萎縮は予防が可能であった。しかし、廃用が加わると筋細胞径は縮小したままであり、萎縮の予防は不可能であった。アクリジン・オレンジ染色によるRNAの増減を検討すると、運動を行った場合は細胞質内の筋鞘下には橙色の蛍光を発する部分が存在した陽性細胞が多く見られ、対照群に比べややRNAの増加が認められた。すなわち萎縮筋では運動が引き金となり、アクチンやミオシンの合成能が若干亢進することが示唆された。ヘマトキシリン・エオジン染色による形態学的検索の結果、筋は単に萎縮するのみならず中心核、塩基好性細胞、群性萎縮、あるいは小角化細胞などの筋原性および神経原性の変化を示していた。一方、運動を行っているとこれらの変化は減少していた。筋細胞の変性と関連し、神経・筋接合部にも種々の変性像が認められた。その頻度は、運動を実施しているとやや減少する傾向にあった。すなわち、加齢や廃用による萎縮筋に対するトレッドミル走行による運動は、萎縮の進行を緩解させることが可能であるが、予防は困難であることが示唆された。
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