1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671448
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
灰田 信英 金沢大学, 医学部, 教授 (00135089)
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Keywords | 筋萎縮 / 運動負荷 / リソソーム性酵素 / 組織化学 / 神経筋接合部 |
Research Abstract |
廃用性筋萎縮予防のための運動負荷量を検討するため、本年度は萎縮筋および予防のために運動負荷を加えたマウスヒラメ筋の神経・筋接合部(NMJ)の超微形態がどのような変化を示すのか、定量的、定性的に検索した。 マウス18匹を三群に分け、6匹を対照群に残りの12匹を実験群とした。実験群には後肢の懸垂を行った。その結果、後肢は無荷重となり、また後肢筋群の筋活動は対照群に比し、1/3〜1/4に減弱した。実験群の内の一群(6匹)は筋萎縮の予防を目的とした運動負荷を小動物用トレッドミルを用いて加え、筋萎縮の予防を計った。定量的検索は、筋線維をタイプIとタイプIIに識別し、各々の線維を支配するNMJの神経軸索に面する一次シナプス間隙長と神経下裂隙長を乗じた領域を計測した。定性的検索は、NMJ自身や神経下装置の変性、神経原性変化など種々の退行性変性の頻度を比較した。 廃用性萎縮筋のNMJは、タイプI線維およびタイプII線維ともに対象群のそれに比べ平均すると約50%膨大していた。トレッドミル走行による運動負荷を加えると、タイプI線維のNMJは対照群のそれと変わらなかったが、タイプII線維のNMJは約40%膨大していた。実験群では退行性変性を主体とした種々の形態的異常が観察された。この異常は、運動負荷を加えた場合より、廃用性萎縮筋の方が高頻度であった。また実験群のタイプI線維よりタイプII線維のほうが頻度が大であった。 この結果より、NMJの形態の保持には神経栄養効果が重要であり、筋活動の多寡にともない、代謝が変化していることが示唆された。
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