1995 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄中枢神経細胞に刺入したガラス電極より薬物を注入して排尿反射を再検討する研究
Project/Area Number |
06671607
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中川 修一 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (00188898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川喜田 健司 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 教授 (60076049)
小島 宗門 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (80178269)
内田 睦 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (70168706)
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Keywords | Onuf核 / 神経細胞 / 電気生理学 / 活動電位 / ラット / 球海面体筋 / 脊髄 |
Research Abstract |
細胞内電気活動の記録と同時に薬物の投与も可能な多連結式微小ガラス電極を用いて、脊髄における排尿反射に対する各種薬剤の神経薬理学的効果について検討した。まずWistar系ラットを用いて微小ガラス電極を仙髄神経細胞運動核であるOnuf核に刺入する技術を確立した。すなわち細胞の活動電位を記録しうる微小ガラス電極をラットの脊髄のS領域にマイクロマニュプレイタにて刺入していき、脊髄神経細胞のなかで仙髄のOnuf核の活動電位をその支配筋である球海綿体筋の逆行性電気刺激により確認した後、ガラス電極の刺入崎がOnuf核の神経細胞に相当することを組織学的にも確認した。その後、多連結式微小ガラス電極を刺入して、各種神経作動性薬剤の注入による効果をみた。興奮性アミノ酸であるglutamateを電気泳動的に注入したところOnuf核の神経活動に対しても明らかな興奮性作用が確認されたことから、Onuf核にglutamate受容体が存在することが確認できた。またserotoninはOnuf核の神経活動に対して抑制的に作用する可能性が示唆された。形態学上ラットのOnuf核には他の前角細胞にみられない特徴的なnoradrenalinの分布がみられるため、noradrenalinはOnuf核の神経支配を考えるうえで重要と考えられたが、今回の研究ではnoradrenalinによる顕著な反応は確認できなかった。 以上のように、本研究は計画通り順調に進行し、成果をあげることができた。
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