1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671610
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Research Institution | JICHI Medical School |
Principal Investigator |
中村 昌平 自治医科大学, 医学部, 助教授 (40107636)
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Keywords | ウロフローメトリ / 排尿障害 / 前立腺肥大症 / 日内変動 / 頻度 / 一回排尿量 |
Research Abstract |
排尿の日内変動を検討した。50人の男性で、2703回の排尿を解析した。患者-日は345である。患者当たり平均排尿回数は47.6回、平均6.6日間であった。25例が前立腺肥大症、8例が前立腺癌、残り17例は排尿に関係のない疾患で入院した。50人を中年群(24例、平均54.7歳)、老年群(26例、平均71.6歳)に分けた。平均年齢1日24時間をを8等分した。0 : 00-6 : 00をN2、 N3、 6 : 00-21 : 00をD1-D5、 21 : 00-24 : 00をN1とした。 中年、老年とも回数のピークはD3-D5にあった。24時間で老年は中年より回数が多かった。特にN2-C1で老年が多かった。尿量は、排尿量と排尿回数の積で計算した。老年では尿量のピークが24時間で2回(D4、 N2)あったが、中年では1回のみであった。24時間の尿量合計は中年、老年で差がなかった。老年の夜間のピークが中年では認められなかったためである。一回排尿量は機能的な膀胱容量を示すが、中年、老年ともN2にピークがあった。24時間の平均で膀胱容量は老年は中年より有意に小さかった。 前立腺肥大症で前立腺重量が35mlより大きい症例15例(A群)、MFR(最大尿流量率)が10ml以下の症例17例(B群)て前立腺癌8例の3群(C群)の3群で機能的膀胱容量の日内変動を検討した。3群の平均年齢(68.6-69.1)は、老年全体の平均年齢に近かった。この3群での日内変動を老年全体と比較した。A群は老年全体に近い日内変動を示した。B群は夜間膀胱容量が減少していた。C群では昼間で膀胱容量が老年全体より減少していた。 回数、尿量、膀胱容量の3つのパラメータの相関を検討した。回数と尿量、尿量と膀胱容量の間で高い相関が認められた。回数と膀胱容量は昼間は負の相関で、夜間はほとんど相関がなかった。上記したごとく老年では夜間の回数が中年に比し増加している。一方、夜間では、回数と尿量が相関し、回数と膀胱容量の相関がない。従って、夜間の老年の回数の増加は、尿量の増加によってもたらされていると考えられる。上記A、 B、 C群別での相関の検討も同様で、前立腺肥大症の夜間頻尿も老年全体の夜間頻尿と同じく夜間多尿によってもたらされるものと考えられた。
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Research Products
(2 results)