1994 Fiscal Year Annual Research Report
免疫活性物質の内耳感覚細胞および血管条・内リンパ嚢上皮細胞に及ぼす影響
Project/Area Number |
06671741
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
友田 幸一 関西医科大学, 医学部, 助教授 (50164041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 俊哉 関西医科大学, 医学部, 助手 (70223261)
原田 成信 関西医科大学, 医学部, 助手 (00198920)
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Keywords | サイトカイン / 細胞内カルシウム / 蝸牛有毛細胞 / 免疫学 / 細胞生物学 / ヒスタミン |
Research Abstract |
本研究は、内耳生理機能において重要な聴覚、前庭系が免疫反応の結果どのような影響を受けるかを細胞生物学的にとらえるもので、生きた状態で単離された感覚細胞に種々の免疫活性物質を負荷し、細胞内カルシウムイオンの動態を顕微鏡下に観察した。今年度はICRマウスを用い単離された蝸牛外有毛細胞にインターロイキン1、2を添加し、細胞内カルシウムイオンの変化をカルシウム依存性蛍光色素(FURA-2)を用い観察した。その結果、インターロイキン負荷後細胞内カルシウムイオンは内部動員と外部動員とによって上昇し、その後徐々に低下する傾向が観察された。このことよりマウスの蝸牛外有毛細胞にインターロイキン1、2に対するレセプターの存在することが示唆された。また細胞内に存在するカルシウムイオンは細胞障害性に働く可能性があり、免疫反応による内耳機能障害の一要因となることが推察された。一方モルモットの蝸牛外有毛細胞に対するヒスタミン負荷後の細胞内カルシウムイオンの変化は、インターロイキンのそれとは異なり、急激な上昇の後に瞬時にもとのレベルにまで減少した。このことはヒスタミンH-1レセプターの存在を示唆するとともに細胞の伸縮性にも関係する可能性が推察される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Koichi Tomoda,et al: "Effects of IL-2 on the intracellular calcium concentration in the cochlea hair cells" Hearing Research. (発表予定).
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[Publications] Koichi Tomoda et al.: "Immunobiology in Otorhinolaryngology" Kugler Publications,Amsterdam, 674 (1994)