1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671915
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
占部 秀徳 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10231185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 明広 広島大学, 歯学部, 助手 (40230099)
佐藤 尚毅 広島大学, 歯学部, 助教授 (20136097)
新谷 英章 広島大学, 歯学部, 教授 (80034239)
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Keywords | マイクロ波 / フィラー / 表面処理剤 |
Research Abstract |
一般に間接修復法によるコンポジットレジンの重合方法は,光重合を行った後,加熱重合を追加して未反応のC=Cを反応させ架橋密度の向上を目的としている。しかしながら,重合が不均一であるためこれ以上の架橋密度の向上は望めない。そこで本研究では,多官能性モノマーの重合にマイクロ波を応用して諸性質の検討を行った結果,良好な重合性並びに機械的性質を示したことから,本年度は,マイクロ波による重合がフィラーを添加した場合,どの様に重合性や機械的性質に影響するかということについて検討を加えた。 ベースモノマーは,Bis-GMA・TEGDMAを重量比で60:40となるように調整した。フィラーは,平均粒径の異なる3種類の高純度球状合成シリカを使用し,γ-MPTSにてフィラーの表面処理を行った。フィラー添加量は,70wt%,75wt%,80wt%を基本として,さらに各フィラーで操作限界の範囲まで添加した。そして,家庭用電子レンジを使用して5分間照射重合を行い実験に供した。その結果,フィラーの添加量の増加に伴い,機械的性質の向上が認められ,平均粒径が0.94μmのフィラーを添加した場合,機械的性質(圧縮強度,間接引張強度,ヌープ硬度)が最大値を示した。電子顕微鏡観察では,1.0μm程度の気泡の存在とフィラーとベースモノマーの結合部の破壊が認められ,これにより,飛躍的な強度の向上がなかったと考えられた。 以上のことから,マイクロ波重合型コンポジットレジンインレーの開発には,フィラー並びに表面処理剤の改良の必要性が示唆された。しかしながら,短時間での技巧操作や重合性の向上には,今後のコンポジットレジンインレーの重合方法の改善に寄与するものと考える。
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