1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト免疫不全ウィルス感染症の口腔病変に関する電子顕微鏡学的研究
Project/Area Number |
06672009
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
杉原 一正 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (00117516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石神 哲郎 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (30232276)
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Keywords | HIV感染症 / 口腔病変 / 口腔カンジダ症 / 口腔毛状白板症 / 難治性歯周病変 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
1.HIV感染症患者に認められる口腔内病変、特に口腔カンジタ症と口腔毛状白板症の電子顕微鏡学的研究 口腔カンジタ症の走査型電顕所見では、上皮細胞の表面や間隙に細長く紐状にのびたCandida albicansの菌糸と球状に上皮細胞表面に付着する酵母様菌体や上皮細胞表面に杭を打ち込んだように細胞膜を貫して細胞内へ侵入している菌糸が観察された。透過型電顕所見では、錯角化層から有棘細胞層上部にかけて直径2μmの表面は無構造で透明な細胞壁と中心部に核を有する円形のCandida albicansの菌糸が観察された。 口腔毛状白板症の走査型電顕所見では、上皮は剥離傾向が強く毛状に突出し表面に幅0.1μmの微小堤を有する上皮細胞が観察された。透過型電顕所見ではEpstein-Barrウィルス粒子が多数観察された。 2.HIV感染症患者の難治性歯周疾患の電子顕微鏡学的研究 透過型電顕による検索では、表層の上皮細胞内や細胞間隙に、球菌、桿菌、らせん菌、鞭毛を有するスピロヘータなどが多数観察された。上皮下結合織には多数の毛細血管の増殖が認められ、血管内皮細胞の細胞質内にはWeibel-Palade小体やtubulo-reticular structureが観察された。
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