1994 Fiscal Year Annual Research Report
小児歯科外来患者の口腔内ウィルス伝播の解析と口腔疾患との関連性解明に関する研究
Project/Area Number |
06672038
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加我 正行 北海道大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70125300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 哲夫 北海道大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00187527)
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Keywords | 単純ヘルペスウィルス / P.C.R法 / 口腔内ウィルス / 電気泳動 / 院内感染防止対策 |
Research Abstract |
口腔粘膜におけるherpes simplex virus(HSV)の存在の有無を検討するために、polymerase chain reaction(PCR)法による分析法を確立した。 口腔内には多数のウイルスが常在しているが口腔軟組織疾患や歯科疾患との関連性について、詳しく報告されたものは少ない。またウイルスの培養及び同定は困難であったため、歯科領域ではほとんど研究されていないのが実情である。 そこでPCR法を用い、ウイルスに特有のDNA配列を増幅後、電気泳動でその存在を確認する方法を確立した。北海道大学歯学部付属病院小児歯科外来に来院した患児から、滅菌綿棒によって口角炎、歯肉炎、口唇炎の表面を拭い、炎症を起こしている細胞を採取した。この検体は、細胞死後の分解によるD Naseの作用が働かないように、分析を行うまで冷凍保存する必要があった。ウイルスのDNAの抽出は界面活性剤とproteinase Kを用いて行った。このDNAをPCR法によって増幅し、電気泳動で目的とするDNAを確認することが可能となった。 今後健常児および易感染症児、特に骨髄移植前の免疫抑制処置を受けた患児・悪性貧血等の患児における正常口腔粘膜上でのHSVの存在を検討する予定である。また極微量の試料でも分析が可能であるために、院内感染防止を考慮した歯科機械・器具・材料についても現在検討中である。
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