1995 Fiscal Year Annual Research Report
小児歯科外来患者の口腔内ウィルス伝播の解析と口腔疾患との関連性解明に関する研究
Project/Area Number |
06672038
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加我 正行 北海道大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70125300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉原 俊博 北海道大学, 歯学部・附属病院, 助手 (60261319)
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Keywords | 単純ヘルペスウイルス / 唾液 / PCR法 / 急性疱疹性歯肉口内炎 / 電気泳動 |
Research Abstract |
口腔粘膜におけるHerpes simplex Virus(HSV)の存在の有無を検討するために、Polymerase chain reaction(PCR)法による分析法を確立した。口腔内には多数のウイルスが常在しているが口腔軟組織疾患や歯科疾患との関連性について、詳しく報告されたものは少ない。また、ウイルスの培養および同定は術式が煩雑である上に時間も多く要するため歯科領域では特定の分野を除いて、ほとんど研究されていないのが実情である。 本研究では、PCR法を用い、ウイルスに特有のDNA配列を増幅後、電気泳動でその存在を確認する方法を確立した。 一方、急性および慢性の基礎疾患を有しない健常児を対象にして182名、年令分布が0歳から14歳の子供から採取した唾液の中から平均14.8%の割合で単純ヘルペスウイルスが検出された。0歳から2歳では3.0%と最も低く、3歳から5歳では17、7%であり、6歳から8歳では13、2%であり、9歳から11歳では18、0%であった。また、12歳から14歳では18、6%であった。0歳と1歳児では検出率がそれぞれ0%であり、3歳以上になると感染率が高くなっていった。これは乳幼児期には母体の抗体を受け継いでいるために抵抗があって感染率が低いが、年令の増加と共に単純ヘルペスウイルスの検出率が高い結果が得られた。これは子供が育って行くに従って単純ヘルペスウイルスに感染する機会が多くなることを示唆している。
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