1995 Fiscal Year Annual Research Report
低濃度弗素環境下における乳歯齲蝕減少の実験疫学的研究
Project/Area Number |
06672039
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
真柳 秀昭 東北大学, 歯学部, 助教授 (60005098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 弘子 東北大学, 歯学部, 助手 (20180630)
畑 真二 東北大学, 歯学部, 助手 (20208507)
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Keywords | 疫学調査 / 乳歯齲蝕 / 弗素塗布 / 弗素入り歯磨剤 / 刷掃指導 / 齲蝕抑制率 / 酸性弗素燐酸溶液 |
Research Abstract |
岩手県胆江地区(金ヶ崎町、江刺市、水沢市)の3保育園に通園している4〜5歳児に対して、実験開始時の齲蝕罹患状況を調べるための口腔内診査を平成6年度に実施したところ、幼児達の齲蝕罹患状況には3保育園間で統計学的有意な差がなかった。そこで、A保育園とB保育園を2つの実験群(Aグループ、Bグループ)に、C保育園を1つの対照群(Cグループ)に振り分けて、平成7年度に実験を開始した。実験群のAグループでは、園児と担当保母に刷掃指導を行い、低濃度弗素入り歯磨剤(配合F濃度100ppm)を1日1回監督下で1年間使用させた。実験群のBグループでは、酸性弗素燐酸溶液を用いて綿棒法による歯面塗布を年2回行った。その他の処置はAグループと全く同じである。対照群のCグループでは、園児と担当保母に刷掃指導だけ行った。 1年の実験期間経過後に再び、同一被検児達に口腔内診査を行い、齲蝕罹患状況を調べた。2年間のdataより個人の1年間の齲蝕増量を求め、両実験群の齲蝕抑制率を算出した。その結果、1人平均deftで1年間に、Aグループは38.2%、Bグループは47%の予防効果が得られた。 以上の成績から、低濃度弗素入り歯磨剤の使用は園児達の齲蝕発生に対して抑制的に働き、さらに酸性弗素燐酸溶液の歯面塗布を併用させると、予防効果がさらに増強されることが分かった。 なお、本研究は平成6年度の科研費補助金の追加内定(10月)があってから着手したために、最終診査からのdataの解析はまだ現在継続中で、細部にわたる研究成果の公表には多少の時間が必要である。
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