1995 Fiscal Year Annual Research Report
部位特異的変異法及びプローブ法によるアルブミン分子上の薬物結合サイトの微環境解析
Project/Area Number |
06672146
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小田切 優樹 熊本大学, 薬学部, 教授 (80120145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 輝子 熊本大学, 薬学部, 教務員 (70176478)
今村 順茂 熊本大学, 薬学部, 助教授 (30040314)
合屋 周次郎 熊本大学, 薬学部, 教授 (50004560)
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Keywords | 血清アルブミン / 種差 / 結合サイト / アニマルスケールアップ / 薬物結合性 / プローブ法 / 蛋白結合 / 微環境解析 |
Research Abstract |
本研究では,アニマルスケールアップという観念から,種々のアルブミン分子上の薬物結合サイトの同定に取り組んだところ,以上の知見が得られた。 1)ヒト,ウシ,イヌ,ウサギ及びラット血清アルブミンのSDS-PAGE並びにキャピラリー電気泳動を測定した結果,各アルブミン種はほぼ同じ分子量を有するものの,分子表面の荷電状態に明らかな種差が認められ,イヌやウサギは他の動物種よりも負に帯電していることが判明した。また,遠紫外領域のCDスペクトル測定結果より,二次構造を推定したところ,いずれの種のアルブミン構造も大部分がα-ヘリックスによって占められていることが明らかとなった。 2)各種アルブミン分子上における薬物間の相互作用を競合的,協同的及び独立的結合モデルに基づいて解析したところ,動物種アルブミンにおいてもヒト同様,複数の薬物結合サイトが存在することが示唆された。 3)サイトI内のサブサイトIbマーカーであるDNSAとISをはじめとするサイトII結合尿毒症物質との間に相互のアンタゴニズム効果(負の協同性)の存在が明らかとなった。これは,一方のサイトにおける揺らぎ構造の変化が,サイトIとサイトIIの存在しているサブドメイン間に存在する共通した境界面を介して他方のサイトにへ伝達されたためであると思われる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] H.Vorum,小田切優樹(他4名): "Calcium Ion Binding to Clinically Relevant Chemical Modifications of Human Serum Albumin" Clinical Chemistry. 41. 1654-1661 (1995)
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[Publications] 坂井利彰,小田切優樹(他1名): "Characterization of Binding Site of Uremic Toxins on Human Serum Albumin" Biological Pharmaceutical Bulletin. 18. 1755-1761 (1995)
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[Publications] 小田切優樹: "薬物の血清蛋白結合と相互作用" ファルマシア. 31. 989-991 (1995)
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[Publications] 坂井利彰,小田切優樹(他3名): "Mechanism of Stereoselective Serum Binding of Ketoprofen Following Hemodialysis" Journal of Pharmacopy & Experimantal Therapeuties. 277. (1996)
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[Publications] 山崎啓之,小田切優樹(他2名): "Characterization of Site I on Human Serum Albumin : Concept about the Structure of a Drug Binding Site" Biochemica Biophysica Acta. 1278. (1996)
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[Publications] 高村徳人,小田切優樹(他5名): "Mode of Interaction of Loop Diuretics with Human Serum Albumin and Characterization of Binding Site" Pharmacentical Research. (1996)
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[Publications] 小田切優樹,末永綾香: "薬物間相互作用と医薬品の適正使用(伊賀立二 監修)" 薬業時報社, 486 (1996)