1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06672274
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
南 勝 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (00142711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 泰 北海道医療大学, 薬学部, 助手 (80194041)
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Keywords | 薬物誘起性嘔吐 / 5-HT_<>拮抗薬 / フェレット / セロトニン / 迷走神経求心性線維 / エンテロクロマフィン細胞 / 嘔吐中枢 |
Research Abstract |
嘔吐のモデル動物フェレットを用いて,制癌剤のシスプラチンならびに硫酸銅の投与により腹部求心性迷走神経活動が嘔吐の発現時間に一致して有意に上昇した.このシスプラチンによる迷走神経活動の増加を制嘔吐薬であるセロトニン(5-HT)_3受容体拮抗薬のオンダンセトロン,ならびに5-HT_3と5-HT_4受容体拮抗薬であるN-3389は有意に抑制した.この腹部求心性迷走神経活動の上昇は嘔吐を起こさないラットにおいても同様に認められた.さらに5-HT, 5-HT_3受容体作動薬である2-メチル-5-HTならびに最近嘔吐発現に関与しているといわれている5-HT_4受容体作動薬の5-メトキシトリプタミンもその用量に依存して迷走神経活動を上昇させた.フェレットから摘出した腸管を用いた5-HT遊離実験においても,2-メチル-5-HTは用量に依存して5-HT遊離を増加させた.ラット摘出腸管を用いてもフェレット同様,2-メチル-5-HTにより5-HT遊離上昇が認められた.この5-HT遊離の増加は5-HT_3拮抗薬のグラニゼトロン同時灌流により有意に抑制した.また5-メトキシトリプタミンも2-メチル-5-HT同様,摘出腸管から用量依存的に5-HT遊離を増加させることが明らかとなった.これらの事からフェレットならびにラットにおいて,腹部求心性迷走神経活動の上昇ならびに摘出腸管からの5-HT遊離には5-HT_3受容体以外に5-HT_4受容体も関与することが示唆された.またこれらの結果から腹部求心性迷走神経活動上昇は腸管からの5-HT遊離に起因した現象であることが示唆された.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 遠藤 泰 ほか: "フェレットを用いたCisplatin誘起性嘔吐に対するdomperidoneとgranisetronの併用効果について" 応用薬理. 47(5). 435-442 (1994)
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[Publications] 南 勝 ほか: "悪心・嘔吐の機序" 癌のPalliative Therapy. 1(2). 27-31 (1995)
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[Publications] Toru Endo et al.: "Changes in the afferent abdominal vagal nerve activity induced by cisplatin and copper sulfate in ferrets." Biogenic Amines. 11(5). 399-407 (1995)
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[Publications] Masaru Minami et al.: "Chemical modulation 5-HT3 and 5-HT4 receptors affects the release of 5-HT from the ferret and rat intestine." Res. Commun. Chem. Pathol. Pharmacol.89. 131-142 (1995)
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[Publications] Masaru Minami et al.: "Toxicological aspects of cisplatin-induced emesis with emphasis on serotonin release." J. Toxicol. Sci.20. app. 77-app. 85 (1995)
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[Publications] 南 勝 ほか: "嘔吐とセロトニン(5-HT)-とくに5-HT_3ならびに5-HT_4レセプターの関与について" J. Smooth Muscle Res.31(5). 217-221 (1995)
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[Publications] 南 勝 ほか: "抗癌剤の悪心・嘔吐とその対策" 医薬ジャーナル社, 222 (1994)
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[Publications] Masaru Minami et al.: "Serotonin and the control of emesis (in press)" Oxford University, (1996)