1994 Fiscal Year Annual Research Report
深在性真菌症早期診断のための血中(1→3)-β-D-グルカン測定の自動化
Project/Area Number |
06672300
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
大林 民典 自治医科大学, 医学部, 講師 (60102266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 忠 自治医科大学, 医学部, 教授 (60048957)
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Keywords | カブトガニ / G因子 |
Research Abstract |
過塩素酸(perchloric acid;PCA)をもちいた除蛋白による従来の血液検体前処理法は、変性して非可溶性となった蛋白を遠心沈殿操作により除去する必要があるため、自動測定系に組み込むことができない。そこでこれに代わる方法として、水酸化カリウム(KOH)、塩化カリウム(KCl)、ポリブレン(polybrene)の混合試薬を血液検体に添加する方法を新しく開発した。KOHは血漿ないし血清中に含まれるリムルステストの干渉因子を除去するとともに、自然の状態では三重鎖らせん構造をとっている(1→3)-β-D-グルカンを、カブトガニのG因子に対してより反応性の強い一本鎖の形に解離し、感度を高める作用を果たしている。KClは解離した(1→3)-β-D-グルカンを一本鎖の状態のまま維持安定させるのに役立っている。またポリブレンによって、インキュベーションの間に非特異的な濁りが検体中に生ずるのを防ぐことができる。この新しい前処理液にはKOHが0.15mol/l、KClが0.3mol/l、ポリブレンが0.1%(w/v)含まれる。サンプル5μ1に前処理試験薬20μ1を加え、マイクロプレートに内蔵されたインキュベータ-で37℃、10分加温したあと、ただちにグルカン測定用のリムルス試薬を加え、さらに37℃、30分間加温しながら、492nmを対照波長として、405nmの吸光度の変化を経時的に記録し,吸光度の変化率から自動的に濃度に換算させる。患者より採取した39検体について、従来の過塩素酸法と比較した結果、r=0.967,p<0.01で両者の間に良好な相関関係が認められた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tamura,H: "Automated Kinetic assay for endotoxin and (1→3)-β-D glucan in human blood" Clin Chim Acta. 226. 109-112 (1994)
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[Publications] 毛塚順子: "Gテストを用いた(1→3)-β-D-glucan比色測定の基礎的検討" 機器・試薬. 17. 37-40 (1994)