1995 Fiscal Year Annual Research Report
空間直観力と論理的思考力を育成するための教材開発と指導法の改善
Project/Area Number |
06680256
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
國本 景亀 高知大学, 教育学部, 助教授 (10144792)
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Keywords | 証明 / 経験的説明 / 前形式的証明 / 形式的証明 / 操作的証明 / 空間直観力 / 暗幾何 |
Research Abstract |
空間直観力が重視されるようになった理由を、社会的観点、心理学的観点、数学教育的観点から考察し、次に空間直観力の概念規定を行った。心理学者サ-ストンは、空間観念を「視覚化」、「空間的関係」、「空間的方向づけ」にカテゴリー化しており、各カテゴリーに対して、数学教育の実践の観点から、次の能力を対応づけ、それらの能力の総体として空間直観力を概念規定した。すなわち、「視覚化」には「図形を捉える力」、「図形を構成する力」、「操作を見直す力」、「図形を見抜く力」を、「空間的関係」には、「図形や空間の広がりを捉える力」、「図形を図で表現する力」を、「空間的方向づけ」には、「位置を捉える力」、「空間自由移動能力」を対応づけた。 これをもとに、空間直観力育成のための方法論の改善として「暗幾何」を提唱した。暗幾何を教授・学習過程との関連及び暗算との比較から考察した。第一に、教授・学習過程の関連から、暗幾何は、空間直観力育成のための教授・学習過程の最終段階の練習形態であること、第二に、暗算と同様に、暗幾何とは、道具を用いない幾何である。すなわち、物理的モデルや平面的-図的表現を記憶の支えにせず、唯一、幾何的対象に対する表象と言語的に示された知識だけを道具にする幾何である。 また、平成元年度の学習指導要領を考察し、空間直観力の各能力がどの学年でどういう内容で指導されているかを考察し、その不十分性を指摘した。そして、空間直観力育成の充実のために、完全ではないが、いくつかの空間直観力を育成するための学習活動や教材を提案した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 國本景亀: "中学生の証明理解に関する研究(I)" 全国数学教育学会誌 数学教育学研究. 第1号. 117-124 (1995)
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[Publications] 國本景亀: "空間直観力育成のための一提案-暗(念頭)幾何の提案-" 日本数学教育学会 第28回数学教育論文発表会論文集. 第28巻. 413-418 (1995)
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[Publications] 國本景亀: "前形式的(内容的-直観的)証明に注目しよう!!" 教育科学 数学教育. No.459. 5-12 (1995)