1994 Fiscal Year Annual Research Report
陸産等脚目(ダンゴムシ・ワラジムシ類)を環境指標生物として実用化するための研究
Project/Area Number |
06680515
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanda University of International Studies |
Principal Investigator |
寺田 美奈子 神田外語大学, 外国語学部, 教授 (80063733)
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Keywords | 土壌動物 / 環境指標生物 / 陸産等脚目 |
Research Abstract |
本年度は、調査地を選定し確立するための予備的な調査を試みることとした。調査方法は、従来申請者が行ってきた、ある調査地点を決めて25cm方形区をランダムに10区画設定し、ハンドソーテイング法で陸産等脚目のサンプリングを行い、同時に自然環境条件(土地利用形態、植生、リター量、土壌水分、土壌有機物量、土壌硬度、土壌PHなど)を調査測定するという方法をとった。また調査地の土地利用の歴史的変遷等についての資料を収集した。本研究ではハンドソ-チィング法とツルグレン抽出装置によるサンプリングを併用した。 調査は、関東地方を代表する地域として、東京都、千葉県および福島県を選び、それぞれの調査地で土地利用形態に注目して以下のような様々な人為の影響の程度の調査地点を設定した:天然林(ないしはそれに近い林)、二次林、人工林、畑地、住宅地および市街地、および公園など。調査時期は、調査地を選定するためには8月に、本調査としては、等脚目の各種の固体数が比較的安定する9月から12月にかけて行った。得られた資料は、現在蓄積されている。 本年度の調査で認められた陸産等脚目の種類は、オカダンゴムシ、ワラジムシ、トウキョウコシビロダンゴムシ、ニホンヒメフナムシおよび今度同定を必要とするワラジムシ科の等脚目で、これらの分布と自然環境の諸条件との関係についての解析は来年度の課題とする。資料を概観する限りでは、申請者がおこなってきた東京都久留米市で得た結果とほぼ同様な傾向が見られ、指標化の可能性についての見通しは充分確信された。
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