1994 Fiscal Year Annual Research Report
脳内のチトクロムP450の解析:コレステロール生合成に関与するP450について
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06680627
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
青山 由利 創価大学, 工学部, 助手 (00158718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 尚博 創価大学, 工学部, 助教授 (50214888)
堀内 忠郎 創価大学, 工学部, 教授 (10037567)
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Keywords | P450 / 脳 / コレステロール生合成 / ラノステロール14-脱メチル化 / P450_<14DM> |
Research Abstract |
本研究の目的は、脳中に大量に存在し生体膜の構成成分としてまた脳でde dovoに合成されるステロイドホルモンの出発材料として重要なコレステロールの生合成系の研究の端緒を開くべく、脳内のラノステロール14-脱メチル化P450(P450_<14DM>)を指標として解析することである。本研究では、ラット脳内におけるP450_<14DM>の存在を明らかにすると共に、新生児から成熟までの間の脳のコレステロール含量の急激な変動とP450_<14DM>の発現との関係、および脳内におけるP450_<14DM>の局在部位の解析を免疫化学的または分子生物学的な方法を用いて行なうことを計画した。本年得られた知見は、以下の通りである。 ラット脳よりミクロゾーム画分を調製し、ラノステロール14-脱メチル化活性を測定したところ、脳においてもミクロゾームタンパク質あたり肝臓の1/10ではあったが活性が認められた。この活性はNADPHとO_2を要求し一酸化炭素により阻害されたことから、本反応にはP450が関与していることが示唆された。さらに、P450_<14DM>の強力な阻害剤であるアゾール系抗真菌剤によっても活性は阻害された。したがって、脳ミクロゾームにP450_<14DM>が存在することが確認できた。スペクトル的に測定される脳のミクロゾームタンパク質あたりのP450含量は、肝臓の約1/100と非常に少ないものであった。ラノテスロール14-脱メチル化活性から推定される脳ミクロゾームのP450_<14DM>含量を全P450含量に対する割合で比較すると、肝臓に比べ高くなっていることが明かとなった。また、P450_<14DM>による脳のラノステロール14-脱メチル化活性は、4週令ラットからエージングしていくにつれて大きな変動は認められなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Aoyama,Y.,et al.: "Occurrence of a P450 showing high homology to yeast lanosterol 14-demethylase(P450_<14DM>)in the rat liver" Biochem.Biophys.Res.Commun.201. 1320-1326 (1994)
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[Publications] Yoshida,Y.and Aoyama,Y.: "Regulation of heme protein synthesis" AlphaMed Press(Edited by Fujita,H.), 139 (1994)