1995 Fiscal Year Annual Research Report
脳内のチトクロムP450の解析:コレステロール生合成に関与するP450について
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06680627
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
青山 由利 創価大学, 工学部, 講師 (00158718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 尚博 創価大学, 工学部, 助教授 (50214888)
堀内 忠郎 創価大学, 工学部, 教授 (10037567)
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Keywords | P450 / 脳 / コレステロール生合成 / ラノステロール14-脱メチル化 / P450_<14DM> |
Research Abstract |
本研究の目的は、脳中に大量に存在して生体膜の構成成分およびステロイドホルモンの出発材料として重要なコレステロールが、脳内でde novoに生合成行されるかどうかを解明するための指標として、脳内のラノステロール14-脱メチル化P450(P450_<14DM>)を解析することにある。昨年度には、ラット脳内のラノステロール14-脱メチル化活性を測定することにより、ラット脳内のP450_<14DM>の存在を明らかにすることが出来た。また、この脳内P450_<14DM>が触媒する活性について、ラットが成熟してから以降エージングによりどのような影響を受けているかを解析したところ、活性の変動は認められなかった。 本年度の検討からは、以下に示す知見を得た。生後1、2、3、4週令のラット脳のラノステロール14-脱メチル化活性を測定したところ、1、2週令ラットは成熟よりわずかに大きな活性を有していたが、有意差が認められるほど大きな変動ではなかった。脳内コレステロールの含量はラット生後1週令くらいが最大と報告されているので、生後直後から1、2週令くらいまでを中心にもう少し詳細な検討を行なう必要性が考えられた。また、脳内P450_<14DM>mRNAの発現を組織化学的に検討するために、最近単離できたラットP450_<14DM>cDNAクローンを用いてRNAプローブを作製し、ラット脳の切片上でin situハイブリダイゼーションを行なった。その結果、プローブは脳内の限定された部位に結合していると考えられる予備的な知見が得られた。したがって、ラット脳において新たなP450分子種としてP450_<14DM>が存在することが明らかとなり、さらにそのP450_<14DM>mRNAは脳の限定された部位で発現していることが示唆された。
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[Publications] Tainaka, H., et al.: "Effects of elevated expression of the CYP51(P450_<14DM>)gene on the sterol contents of Saccharomyces cerevisiae." Journal of Fermentation and Bioengineering. 79. 64-66 (1995)
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[Publications] Aoyama, Y., et al.: "Sterol 14-denethylase P450(P450_<14DM>)is one of the most ancient and conserved P450species" J. Biochem.(in press). (1995)