1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06801018
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagawa Nutrition College |
Principal Investigator |
天野 幸子 女子栄養短期大学, 食物栄養学科・第一部, 教授 (60076172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛塚 恵美子 群馬県立女子大学, 文学部, 助教授 (40145644)
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Keywords | 乳児 / 大人の顔への定位 / 大人の手への定位 / 事物操作 / 事物の道具的使用 |
Research Abstract |
生後第1年目の前半期の乳児に顕著に観察される大人の顔への定位は聴覚的定位が優位をなし、後半期に入る頃に目だってくる大人の手への定位は視覚的定位が優位になってくる現れと考え、その移行の過程を明らかにするとともに、事物の道具的使用の獲得とその発達における大人の手への定位の意義を明らかにすることを目的に実験を行った。 実験は3,4か月児を対象に(実験者モデル25名、母親モデル28名)大人の顔及び手への定位について、大人が行うボールと人形に対する事物操作場面とそれらに対する指差し場面を行い、6,7か月児(実験者モデル17名、母親モデル27名)、9,10か月児(実験者モデル34名、母親モデル21名)、11,12か月児(実験モデル17名、母親モデル28名)及び1歳7,8か月児(実験者モデル11名、母親モデル5名)を対象に、筒(トンネル)の中にあるミニカ-を棒で押し出す場面で、事物の道具的使用の獲得過程における大人の顔と手への定位に関する実験を行った。 その結果、3,4か月児では正面の顔及び手の動きに大して敏感に反応した。正面から話しかけられる声と横向きで話しかけられる声に対する反応の差異については、まだ実験は十分とは言えない。平成7年度の研究課題としたい。6,7か月児、9,10か月児、11,12か月児、1歳7,8か月児を対象に行った実験では、大人の顔への定位は年少児ほど高く、また物と物との関係の把握が不能な場合に増す。手への定位は、どの月齢児にも観察されたが、道具的使用が可能になった時、また物と物との関係の把握がなされた場合には減少する。事物の道具的使用に関する実験では、すでに行った実験と結果と一致した。 この結果は第37回教育心理学総会(1995)において発表する。
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