1995 Fiscal Year Annual Research Report
鋼構造物の破壊確率と荷重・強度の設計値の推定法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
06805041
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
北田 俊行 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (30029334)
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Keywords | 限界状態設計法 / 鋼構造物 / 破壊確率 / 荷重 / 強度 / 初期不整 / 事故 / ヒューマン・エラー |
Research Abstract |
1.基礎理論に関しては、ある程度の成果を得て、それを論文としてまとめた。 2.以下のような知見を得て、それらを論文としてまとめた。 (1)破壊確率の小さい構造物、例えば活荷重を受ける鋼橋などの設計法を確立する際、破壊の原因となる大きな活荷重や非常に小さい強度に関するデータが少なく、現時点では、破壊確率や安全性指標を用いる信頼性理論の使用は適切でない。 (2)当初は、構造物全体の破壊確率を求めることを目標としていたが、それ以前に、構造物全体の終局強度特性、および終局状態に至るまでの種々の限界状態の特性を明らかにする必要があることがわかった。 (3)構造物の破壊の原因の多くは、ヒューマン・エラー、未知現象、および災害・事故などの予期せぬ過大荷重などである。 (4)パラメトリック解析において、ヒューマン・エラー、未知現象、および災害・事故などの予期せぬ過大荷重を、いかに対処するかについて、検討を行うことが必要である。 (5)今後、これらの事項をいかに構造物係数という安全率で評価するかについて検討する必要がある。 (6)ニールセン・ロ-ゼ橋を対象としたパラメトリック解析においては、降伏点のばらつきが終局強度に及ぼす影響が最も大きいことがわかった。初期たわみの有無は、終局強度、および、そこに至るまでの挙動に大きな影響はない。しかし、残留応力の有無は、終局強度にあまり影響しないが、降伏が早められるため、終局強度に至るまでの変位が大きくなることがわかった。 (7)降伏も設計上の1つの限界状態となるため、残留応力が降伏に及ぼす効果に着目したパラメトリック解析も行う必要がある。 (8)既設構造物の場合、材料の機械的性質、作用荷重、構造物の重要度、作用応力、および強度が、新設構造物より、精度よく推定できる。それらを考慮した耐荷力評価法を提案した。
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