1994 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者のアクテイブ・ライフに及ぼす要因と予防的方策に関する研究
Project/Area Number |
06807038
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中西 範幸 大阪大学, 医学部, 助手 (90207829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 信雄 大阪大学, 医学部, 助手 (80243228)
多田羅 浩三 大阪大学, 医学部, 教授 (20107022)
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Keywords | コホート内症例対照研究 / 老人 / 機能の低下 / 健康管理 / 健康づくり / 精神、および社会状況 |
Research Abstract |
大阪府S市において平成4年10月の第1次調査において設定した1,405人を観察コホートとして、平成6年9月30日までの2年間の予後を観察した。この観察コホートの中で2年間に死亡した者は90人、転出した者は64人であった。死亡者の中で循環系の疾患(ICD-9分類:B41〜B49)で死亡した者は47人であった。死亡と関連する要因の分析は、コホート内症例対照研究を用いた。対照者の選択では死亡者1人に対して、交絡因子と考えられる地区、性、年齢(±2年)をマッチさせた生存者2人を無作為に抽出し、対照者とした。 単変量のマッチド解析(死亡者1:対照者2)における健康管理、および社会生活の状況別オッズ比をみると、60歳代前の健康診断、基本健康診査、およびがん検診の受診、健康づくりの実践の各項目(いずれも、1:「なし」、2:「あり」)では、「あり」の群のオッズ比はいずれもと1よりも低い値を示した。とくに基本健康診査とがん検診(1:「両方とも受診」、2:「いずれも受診せず」)では「両方とも受診」していた群のオッズ比は0.40と最も低かった。また社会活動への参加「あり」の群のオッズ比は0.45で有意に低く、生きがい「あり」の群も0.49と低い傾向を示した。Multiple Logistic Modelを用いた多変量解析でも単変量解析でみたのと同様、基本健康診査とがん検診の受診、健康づくりの実施、社会活動への参加の相対危険は1より低い傾向を示した。また病型別には循環系疾患で死亡した者ではその他の疾病で死亡した者よりも、健康管理と社会生活影響をより大きく強くを受けていることが示された。 がん検診を含む基本健康診査の受診や健康づくりの実践は、社会活動への積極的な参加、生きがい感の保有とともに高齢者の身体的・精神的な機能の低下を予防し、死亡をも抑制する可能性が示された。
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Research Products
(1 results)