1994 Fiscal Year Annual Research Report
Y染色体を用いた(In situ hybridization法による)心臓移植後冠動脈硬化症の成立メカニズム解明に関する研究
Project/Area Number |
06807109
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
横手 祐二 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10118656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半田 宣弘 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (00201723)
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Keywords | 心移植 / 冠動脈硬化症 / Y染色体 / MHC クラス I抗原 / 血管内皮 / repopulation |
Research Abstract |
心移植後の冠動脈硬化症(CGD)は遠隔期の最大の死亡原因である。慢性の拒絶反応であると考えられているCGDの成立メカニズムを検討する上で、ドナー・レシピエント細胞の役割を区別して評価するためにY染色体fragmentによるin situ hybridization法を試みた。マウスのY染色体のfragmentをprimerとして用いラットのfragmentをPCR法で増殖させようとしたが温度その他の条件を調節しても成功しなかった。現在マウスの他のprimerを用いて増殖を検討中である。一方当初の目的であるドナー・レシピエント細胞の区別を組織上で行うという目的を達成するためにACIラット(RT1a)をドナー、Lewisラット(RT1l)をレシピエントとした異所性心移植モデルを用い、RT1aおよびIに特異的なMHC class I抗原に対する抗体を用いた免疫染色を施行しドナー細胞とレシピエント細胞を区別して間質の急性拒絶病変およびCGD病変を実験的に評価した。間質では正常の心臓ではMHCclass I抗原がほとんど提示されていなかったが、移植心の間質ではドナー・レシピエント両方のMHC class I抗原が強く提示されていた。一方ドナーの血管には、ドナーのMHC class I抗原を提示している移植心の内皮細胞にレシピエントの白血球がレシピエントのMHC class I抗原を提示して付着している像が確認され、ここが血管型慢性拒絶病変の免疫学的活性化の部位である可能性が示唆された。また慢性の拒絶反応によって起こった血管内皮の障害に対してレシピエント由来の細胞によってrepopulationが起き、vascularized origanの免疫学的寛容が成立するとの仮説があるが本研究では血管内皮がレシピエント由来の細胞で再生している像は確認できなかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nobuhiro Handa et al: "The Inoculation of Cytomegalovirus Accelerates Transplant-Associated Coronary Atherosclerosis in Heterotopic Heart Allograft Model" Surgical Forum Volume. XLV. 445-447 (1994)
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[Publications] 半田宣弘,他: "Haplotype a,lに特異的な抗体を用いた免疫染色法による移植心絶反応の解析(発表抄録)" 日本外科学会雑誌. 95. 109-109 (1994)
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[Publications] 半田宣弘,他: "Haplotypeに特異的なMHCクラスI抗体による移植心拒絶反応の解析(発表抄録)" 日本胸部外科学会雑誌. 42. 1764-1764 (1994)