1994 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系障害による歩行障害の定性的,定量的評価システムの開発
Project/Area Number |
06807174
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高木 昭輝 広島大学, 医学部, 助教授 (30253058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 弘毅 広島大学, 医学部, 教授 (20034184)
奈良 勲 広島大学, 医学部, 教授 (00126608)
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Keywords | 中枢神経系歩行障害 / 評価システム / 廉価 / 左足一歩長 / 右足一歩長 / 累積距離 / 運動性片麻痺 / 失調歩行 |
Research Abstract |
当該年度はまず中枢神経系障害による歩行障害の定性的、定量的評価システムを廉価で行うために、適切な機器を購入すること、機器の搬入の後、その機器で使うことができ評価解析に必要なソフトを用意すること、その後、脳血管障害運動性片麻痺(左右両方)と運動失調性患者について、評価対象の情報収集しながら、評価システムを利用可能なように修改正を行うこと、そのためのコンピューター処理に関する情報を得ることであった。 機器はマッキントッシュ社製コンピューター、パワーマック8100/80AVとシャープ電気社製のビデオカメラ、ビューカムを購入した。解析ソフトとして、良い情報が廉価で得られることがこの研究の最大の目的であるので画像解析ソフト{NIH lmage V1.54(Non-FPU)}を取得した。平成7年2月末までに対象として脳血管障害運動性の左麻痺患者5例および右片麻痺患者4例、および脊髄小脳変性症患者で失調歩行を呈する患者3例の歩行中の画像を、当該研究と画像権などについて各患者に十分説明し、了解を求めた上で、転倒防止などに十分な安全性を確保し、平地で各患者が可能な距離と速さで歩いているところを、片麻痺患者については麻痺側の画面の手前に来るように設定した画面前方を左から右へあるいはその逆方向へ歩行している状況をビデオカメラにより撮影した。画面内には一歩長が正確に測定できるよう一定の尺度基準を必ず画面内に入れてある。計測は相関係数を求めるxy軸の図表にy軸に左足の一歩長の累積歩行距離を、x軸に右足の一歩長の累積歩行距離を描いた。運動性片麻痺の障害のみによる歩行障害では、我々の予測しているように左右それぞれの運動麻痺を特徴的に示す定性的な傾向が示され、この図が機能訓練の指標になりうると思われた。失調症患者では、患者の「歩行回数のにおけるバラツキ」をどのように評価するかという問題を残している。今後、必要数を収集し、更に検討を加え発表する。
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