1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06808006
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Research Institution | Tamaki Women's Junior College |
Principal Investigator |
寺田 貴子 玉木女子短期大学, 被服学科, 助教授 (00141804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 教子 長崎大学, 工学部, 助教授 (40133178)
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Keywords | 貝紫 / ティリアンパープル / ジブロムインジゴ / インジゴ / 建染染料 / 動物染料 / アカニシ / アクキ貝 |
Research Abstract |
本年度は,市販のアカニシを用いて貝紫色素の調整方法を種々検討し、以下の研究実績を得た。 1.貝紫色素の抽出方法 アカニシの鰓下腺に含まれる貝紫色素前駆体の抽出は,水,水とエタノールの混合系,エタノール及び海水などで試みたが,最も効果的な溶媒はエーテルであった。エーテル抽出物は色相が美しく、濾過や乾燥がより速やかであった。 2.貝紫色素の発色方法 発色は直射日光下で照射時間を種々変化させて行った。貝紫色素前駆体はそのままで発色させるよりも,溶液中で発色させた場合が短時間で平衡に達した。6月から10月までの晴天日の10時から15時までの間,時々攪拌しながら屋外で日光照射を行ったところ,およそ30分までの間に乳白色から黄,緑,青,紫へと変化し,照射時間が長いほど深みのある紫色を示した。また、アカニシが新鮮なほど貝紫色素の収量が多かったが,短時間の加熱や塩蔵,冷凍及び乾燥体からも貝紫色素が得られた。 3.貝紫色素の精製方法 精製はフリードレンダー法に基づいて行ったが,アカニシは彼らが用いたシリアツブリよりも貝紫色素の含有量が多く,したがって,濾過や洗浄に長時間を要し,さらにこの間に色素のスルホン化が進むためか,かなりの貝紫色素が溶出し、これを回収,再結晶化するのに手間取った。不純物除去のための硫酸処理は希硫酸を用いて少量づつ行わねばならない。
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Research Products
(1 results)