1995 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカにおける民族芸術の文化人類学的研究 -その伝統的形態と現代的展開-
Project/Area Number |
07041039
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
和田 正平 国立民族学博物館, 第3研究部, 部長教授 (50110086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOYO Roger S ブルキナファソ国立科学技術調査センター, 研究員
三島 禎子 国立民族学博物館, 第3研究部, 助手 (20280604)
吉田 憲司 国立民族学博物館, 第4研究部, 助教授 (10192808)
栗田 和明 立教大学, 文学部, 助教授 (10257157)
渡辺 公三 立命館大学, 文学部, 助教授 (70159242)
井関 和代 大阪芸術大学. 芸術学部, 助教授 (60073285)
小川 了 京都精華大学, 人文学部, 教授 (60124228)
端 信行 国立民族学博物館, 第3研究部, 教授 (90044742)
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Keywords | 民族芸術 / 造形 / ダンス / 職人 / 染色 / 王朝美術 / 仮面 / 民族衣裳 |
Research Abstract |
1.タンザニア南部、ニャキュウサ・ランドにおいては、数種のダンスティームが認められ、マラウィのンコンデ・ランドとは国境を越えて交流し、ダンスの師匠を招聘するなど、近縁な民族間関係にダンスが大きな役割をはたしていることが把握できた(栗田)。 2.セネガル、ダカ-ル市においては、金属加工職人、木工職人等を中心に、日用品の加工、製造、流通に関して生じている様々な問題を調査した。またおみやげ産業との結びつきにも注目した(小川)。 他方、同市内において、染色職人の活動と組織についても調査を行った。最近は、男性もこの職種に進出し、また女性染色グループも多民族構成に変わりつつある(三島)。 3.ブルキナファソでは、都市化の様相の異なる3地域(ワガドゥグ、デドゥグ、サオ)において、女性の造形活動、とりわけ髪型、服飾等のファッションについて調査を行い、この地域の造形の傾向についてかなり明らかにできた(シエネ、板坂)。 4.カメルーン西部、バフツ、バブンゴ、マンコン、バムンの各王宮の王朝美術に関して比較調査を行った。また南部のクロス・リヴァー地域においては、造形伝統について調査を行い、カメルーン、ナイジェリアにまたがる地域の造形傾向の連続性を新たに確認した(端、吉田)。また同地区の仮面衣装をつけた託宣パフォーマンスについても調査を行った(佐々木)。 5.カメルーン西部、バフツ王国における伝統的衣裳の調査を実施した。藍染布には、これまで報告されていない技術等が観察された。またグラスランドにおける衣裳や工芸品にみる意匠には、かなりな多様性のあることがわかった(井関)。 6.タンザニアのダル・エス・サラーム市において、民衆芸術としてのティンガティンガに関して調査を行い、その隆盛の背景について諸資料を入手した(和田)。 7.ギニア湾岸部のコートジボワール、ト-ゴ等を中心に、パフォーミング・アーツの調査を行った。宗教や儀礼に基づく伝統的なパフォーマンスにモダンな意味が加わり、変容していくのが認められた(渡辺)。
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[Publications] 和田 正平: "ティンガティンガ" 月刊 みんぱく. 6. i-i (1995)
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[Publications] 端 信行: "赤道アフリカの儀礼的貨幣" 民博通信. 71. 46-53 (1996)
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[Publications] 井関 和代: "Mourning Clothes in West Africa--Adinkra Clothes among Asante --" PROCEEDINGS --African/American/Japanese Scholars Conference for Cooperation in the Educational,Cultural,and Environmental Spheres in Africa--. 269-284 (1995)
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[Publications] 吉田 憲司: "「事件」としての展示と出版「20世紀美術におけるプリミティヴィズム」" 20世紀美術におけるプリミティヴィズム(吉田 憲司 他・監修). (1995)
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[Publications] 吉田 憲司: "創られた「アフリカ美術」 --美術館と博物館の近代--" 美術のスペクトルム --作品・言説・制度--(国府寺 司・編集). (1995)
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[Publications] 佐々木 重洋: "「民族芸術」における「伝統」と「近代」--カメルーン南西部エジャガム社会におけるオクア・アメット--" 民族藝術. 12(印刷中). (1996)
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[Publications] 佐々木 重洋: "「悪い死」と「邪悪な薬」--カメルーン南西部エジャガム社会における死の「善悪」判断とその論理--" 民族学研究. 61-1(印刷中). (1996)
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[Publications] 板坂 真季: "丸い頭 --ブルキナファソ女性の髪型と造形原理--" 民族藝術. 12(印刷中). (1996)
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[Publications] 吉田 憲司: 淡交社, (1995)