1996 Fiscal Year Annual Research Report
ブラジル北東部における農牧的土地利用の強度と地生態系の地域的変化
Project/Area Number |
07041045
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
斎藤 功 筑波大学, 地球科学系, 教授 (90006586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
EDUARD Pazer 国立パライバ大学, 基礎科学部, 教授
SOLANGE Cout ジョアキンナブコ研究所, 副部長
須山 聡 筑波大学, 地球科学系, 講師 (10282302)
矢ヶ崎 典隆 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (30166475)
鈴木 裕一 筑波大学, 地球科学系, 講師 (70015858)
松本 栄次 筑波大学, 地球科学系, 教授 (10015571)
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Keywords | 地生態系 / 熱帯半乾燥地域 / 白砂-ハードパン / サトウキビ栽培 / エンジェーニョ / 中規模水路灌漑 / 地下水揚水灌漑 / 持続的農業vs略奪的農業 |
Research Abstract |
本研究は、標記の課題を解明するために3ケ年にわたり計画されたプロジェクトである。2年目にあたる平成8年度はブラジル北東部セアラ州を対象として以下の調査を実施した。 1 セアラ州中部・イコの中規模灌漑地域におけるカ-チンガの植生調査・土壌への水の浸透度実験および土地利用・集落調査 2 セアラ州南部アラリッペ台地下のカリリ地域におけるサトウキビ栽培とその加工業エンジェーニョの調査 3 バツリテ山地におけるサトウキビ酒造業の調査 4 海岸部におけるカシュープランテーションおよび地下水揚水灌漑によるメロン栽培の調査 5 海岸部マルデモロスにおける土壌調査 1の調査から,段丘性の沖積地では灌漑によって透水性の悪い層ができ,部分的に土地利用が荒地化すること,灌漑事業の進展により,カ-チンガ卓越地域でも水稲作が可能となり,生活水準が上昇したことが明らかになった。しかし土壌条件によってはフェジョンマメ・バナナなど他の作物が選択されることも明らかになった。 2の調査から,サトウキビ生産は標高400m以下の平野部とアラリッペ台地中腹の湧水地域でなされること,ラッパドゥ-ラ・バチ-ダなど伝統的なサトウキビ加工が経営者の更新によって継続していることが判明した。 3の調査から,バツリテ山地ではピンガ生産がカリリ地方などでの桶買いによって大手資本に集約されつつあることが判明した。 4の調査から,輸出用カシュー生産においては国内地域資本と国外多国籍企業の協力・競合関係が併存すること,プランテーションの大規模化が進展していることが判明した。 5の調査においては,海岸部のタブレイロス台地およびそれが侵食された半円丘陵地において白砂、浅層ハードパンの形成について調査した。
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Research Products
(1 results)