1995 Fiscal Year Annual Research Report
ナショナル・アイデンティフィケーションに関する総合的比較研究-法的・政治的・社会的側面から-
Project/Area Number |
07041046
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岩崎 美紀子 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (30183015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 直志 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (10210460)
クラインシュミット ハラ 筑波大学, 歴史人類学系, 助教授 (60225240)
河野 真理子 筑波大学, 社会科学系, 講師 (90234096)
岡本 美穂 (大島 美穂) 筑波大学, 社会科学系, 講師 (20203771)
秋野 豊 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (70142677)
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Keywords | 国民 / 国籍 / 国家 / 民族 / 移民 / 保護 / 入国管理 / 地域統合 |
Research Abstract |
今年度は、研究プロジェクトに係わる研究者が、歴史学、経済学、政治学、国際法といったそれぞれの専門領域から、ナショナル・アイデンティフィケーションに関する主要概念の再検討を行った。 理論面では、民族、移民、難民という概念、あるいは国家、国籍という概念が、それぞれ国によって内容が異なること、したがって国家を越えて移動する人間にとって国家の壁のみならず、それぞれの概念の包括する内容の落差が顕著であること、それが新たな壁となっていること、などを検討した。個人が国境を越えて移動・滞在する場合、国籍がある自国と、滞在先の国家というと二重の関係が国家と個人の間に生まれることになるが、国家による「国民」と「滞在者」の取扱いの違い、および個人自身によるこのような二重関係への認識を、ナショナル・アイデンティフィケーションの理論的検討の核とした。 実態面では、今年度は4人が海外調査を実施した。クラインシュミットはシンガポールにおいて外国人の犯罪のなかで国籍問題がどのように位置づけられているか、ドイツにおける同様の例の調査を行った。岩崎は、カナダにおける移民の国籍取得とその規制問題に関して調査を行った。山田は、チェコにおいて社会主義政権からの脱皮をはかろうとする過渡期の社会保障制度のなかで、移民や難民に関する取扱いはいかなるものかの調査を試みた。河野は、個人ではなく、法人の国籍問題について関心をもっており、企業の多国籍化がすすむなかで、国家による自国法人保護について、多くの判例をもつフランスに赴き、調査を行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 岩崎美紀子: "カナダ連邦制" 地方自治. No.571. 42-57 (1995)
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[Publications] Miho Ohshima: ""Baltic Sea Cooperation as a Model of Sub-Regional Cooperation"" Mikiko Iwasaki(ed.),Varieties of Regional Integration,LIT,Munster,. 136-148 (1995)
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[Publications] Mariko Kawano: ""Legal Consequences of the Breach of Multilateral Treaties"" Mikiko Iwasaki(ed.),Varieties of Regional Integration,LIT,Munster,. 29-46 (1995)
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[Publications] Harald Kleinschmidt: ""A Preparatory for a New Regional Integration Theory"" Mikiko Iwasaki(ed.),Varieties of Regional Integration,LIT,Munster,. 47-71 (1995)
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[Publications] Tadashi Yamada: ""EC Integration and Japanese Foreign Direct Investment in the EC"" Contemporary Economic Policy. Vol.14 No.1. 48-57 (1996)