1996 Fiscal Year Annual Research Report
ガット合意後の欧州連合における農業構造の再編と環境保全に関する政策的・実証的研究
Project/Area Number |
07041056
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武部 隆 京都大学, 農学研究科, 助教授 (30093264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 滋晃 京都大学, 農学研究科, 助教授 (70169308)
大田 伊久雄 京都大学, 農学研究科, 助手 (00252495)
鳥井 清司 京都大学, 農学研究科, 助教授 (40026563)
間藤 徹 京都大学, 農学研究科, 助教授 (50157393)
加賀爪 優 京都大学, 農学研究科, 教授 (20101248)
辻井 博 京都大学, 農学研究科, 教授 (60027589)
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Keywords | EU共通農業政策 / 社会保障制度 / 税制 / 条件不利地域対策 / 資源環境保全 / 農産物域内貿易 / 国際競争力 / 産地間競争 |
Research Abstract |
平成8年度は、フランス・エジプト・ドイツ・イギリス・ベルギー・フィンランド・オランダ・イタリア・スペインを対象に現地調査を実施し、次の諸点について明らかにすることができた。 第1に、フランスでは、近年、社会保障制度の掛金改革が行われた結果、掛金額の負担を少しでも減らそうとして、法主体性をもたない単なる家族農業経営が、家族的EARL(個人所得税下のEARL)に組織替えされたり、あるいは、中堅クラスの家族農業経営(法主体性はない)が新たにGAEC(個人所得税下のGAEC)を創設したりするケースが、目立って増えてきた。 第2に、ドイツでは、東西合併により、旧東ドイツ地域の大規模生産農業協同組合(LPGen)は、その多くが登記協同組合(eG)に、また一部は有限会社(GmbH)に、そして若干数が株式会社(AG)に組織替えされることになった。その結果、税金負担との関係で、農業経営を行う場合、どの法律形態が有利であるかが、農業者にとっても関心の的になってきた。 第3に、世界のコメを含む穀物在庫が、昨秋、史上最低水準になり、それに伴い国際穀物価格が史上最高水準をつけた。このとき、とくに欧州連合のコメに関しては、エジプトのコメ輸出と輸出政策が欧州連合のコメ需給および貿易政策に大きな影響を及ぼしていることが明らかになってきた。 第4に、ライン川河口地域でのデルタプロジェクト、ゾイデル海における大規模干拓プロジェクトは、農業政策・環境保全の面において先駆的な試みであると判断することができた。 第5に、近年、EU農業において現実のものとなっている資源環境保全型の特続可能な農業への取り組みは、今後のわが国農業のあり方を考えるうえで貴重な情報を提供してくれることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 辻井 博: "危機に瀕する食糧需給" 世界. 629. 80-86 (1996)
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[Publications] 加賀爪 優: "食糧援助と日本のコメ" 農業と経済. 61-15. 62-69 (1995)
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[Publications] 大田伊久雄: "米国国有林における木材生産活動とエコシステムマネイジメント" 日本林業学会誌. 78-3. 327-334 (1996)
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[Publications] K.Torii et al.: "Application of Satellite Image Data to Largescale Water Use System in Arid Area of Iran" Proc.of the 17th ACRS. B.4.1-B.4.6 (1996)
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[Publications] K.Nakamura & T.Matoh: "Nutrient Balance in the Paddy Field of Northeast Thailand" Southeast Asian Studies. 33. 25-30 (1996)
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[Publications] 武部 隆: "環境保全と農業の地力維持 桜井倬治編『環境保全型農業論』123-134ページ所収" 農林統計協会, 320 (1996)