1995 Fiscal Year Annual Research Report
トルコをめぐる国際ツーリズムと都市発展との相互作用に関する社会地理学的研究
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07041063
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中林 一樹 東京都立大学, 都市研究所, 教授 (80094275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CLAVAL Paul パリ第4大学, 教授
HEIURITZ Gun ミュンヘン工科大学, 地理学研究所, 教授
RUSRN Keles アンカラ大学, 政治学部, 教授
若林 芳樹 東京都立大学, 理学部, 助教授 (70191723)
水内 俊雄 大阪市立大学, 文学部, 教授 (60181880)
山本 健児 法政大学, 経済学部, 教授 (50136355)
磯部 啓三 成蹊大学, 経済学部, 教授 (90159814)
寺坂 昭信 流通経済大学, 経済学部, 教授 (30008643)
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Keywords | 国際ツーリズム / 観光開発 / 都市開発 / 観光産業 / 観光行動 / トルコ / パリ / ドイツ |
Research Abstract |
産業構造の世界的な変化の中で、ヨーロッパの中心と周辺をめぐる国際ツーリズムの動向が、中心としてのフランス・ドイツおよび周辺としてのトルコの都市発展にどのような変化を与えているかを明らかにすることが目的である。トルコでは、10年前から国家プロジェクトとして観光開発を進めてきた地中海沿岸地域の中心都市であるアンタリアを中心に、観光開発計画とそれに基づく観光産業の実情と都市開発の実態を、関係機関へのヒアリング、各種統計資料・計画文書の収集によって把握した。同時に、アンタリアおよび周辺のケメル、カシュ、フェティエのリゾート都市を訪問し、外国からの観光客を対象とする観光行動と意識、観光地の評価に関するアンケート調査を実施した。国家プロジェクトとしての観光開発は、急速な観光産業の成長をもたらし、夏期を中心に半年間の観光シ-ズンには地域人口が2倍に増加させるまでになり、海岸部での観光施設を中心とする都市開発を急進させている。それに伴う水問題や海岸汚染問題などの課題も顕在化しつつあることが明らかになった。外国観光客はドイツを中心にヨーロッパ各国から訪れているが、アンケート調査によるとトルコでは、遺跡・自然環境の魅力とともに、国民性も評価が高く、経済的負担の少ない地中海沿岸旅行が可能であるとしている。1995年は、世界的に経済の停滞傾向がある中で、トルコの国際観光は空前の業績をあげたようである。中心としてのフランス・ドイツは、周辺への観光客の送り出し地域であるため、受け入れ地域との間での観光産業の国際的な組織化が明確化しつつあるようであるが、本年度は、十分には捕捉できなかった。 反面、中心地域では、EU統合化の中で、ヨーロッパ主要都市間競争が激化してきており、ビジネスや文化活動における国際ツーリズムを前提とした、メッセなどの都市開発が活発化しているのである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 寺坂昭信・中林一樹: "トルコをめぐる国際ツーリズムの展開" 日本地理学会予稿集(1996春). 49(印刷中). (1996)
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[Publications] 水内俊雄・長尾謙吉: "トルコ・アンタリヤの観光開発と都市発展" 日本地理学会予稿集(1996春). 49(印刷中). (1996)
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[Publications] 若林芳樹・磯部啓三・山本健児・長尾謙吉: "トルコにおける外国人観光客の意識と行動-地中海地方を中心として-" 日本地理学会予稿集(1996春). 49. (1996)
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[Publications] Toshio Mizuuchi & Kenkichi Nagao: "International Tourism and Urban Development in Antalya,Turkey" IGC国際地理学会アブストラクト集. (印刷中). (1996)
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[Publications] 山本健児: "ツーリズムと都市開発-ミュンヘンの事例-" 経済志林. (予定).