1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07041128
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 雅啓 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20093221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 博 大阪市立大学, 理学部, 教授 (40089892)
瀬戸口 浩彰 東京都立大学, 理学部, 助手 (70206647)
今市 涼子 日本女子大学, 理学部, 教授 (60112752)
塚谷 裕一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (90260512)
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Keywords | 熱帯植物 / 異時性 / 進化 / 分子系統 / 形態 / Monophyllaea / 渓流沿い植物 |
Research Abstract |
1.スマトラおよびマレーシアでMonophyllaea数種の野外調査を行い、分子系統学的研究、形態学的研究のための資料を採集した。実生および幼植物の観察から、Monophyllaea singularisは他の種と異なり、発達した子葉と未発達の子葉の間に長い胚軸が存在することから、胚軸分裂組織が異形子葉間に生じていることが推定された。Monophyllaeaの種間の系統関係を解析するために、rbcL、ITSなどいろいろな遺伝子を調べてきたが、matKが最も有効であることがわかった。現在はこの遺伝子の塩基配列を決定して、系統樹を作成しつつあるところである。 2.スマトラとマレーシアで、渓流沿い植物を数種について野外調査し、形態学的研究と分子系統学的研究のための資料を採集した。キナバル山(北ボルネオ)で固有の渓流沿い種Deparia biserialisとそれに近縁と思われるDeparia peterseniiが隣接して、川岸とその近くに生えていた。中間型の稀に存在したが、住み分けの傾向があり、Deparia biserialisは種としては確立しているか、しつつあると推定される。さらに、両種の遺伝的距離、系統関係、形態学的差異を調べて、Deparia biserialisがDeparia peterseniiからどのように種分化したか、その際異時性がどのようにかかわったかを調べる予定である。Microsorum pteropusに近縁な(場合によっては、同種とみられることがある)Microsorum paucijugum(採集済み)はMicrosorum pteropusから種分化した渓流沿い植物で、それよりもさらに水際に生えている。両種を用いて、渓流沿い植物から渓流沿い植物への二次的種分化の過程と、傾注帯へのさらなる適応進化を明らかにしたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tsukaya, H.: "Determination of the unequal fate of cofyledons of a one-leaf plant, Monophyllaea" Devlopment. 124. 1275-1280 (1997)
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[Publications] Kato, M.: "An rvcL-based phylogeny and heteroblastic leaf morphology of Matoniaceae" Systematic Botany. (印刷中).
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[Publications] Imaichi, R.: "Evolution and Diversification of Land Plants(分担執筆)" Springer, 330 (1997)