バイカル湖におけるコミュニティーと環境変動、進化系統に関する研究

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07041130
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 宮崎 信之 東京大学, 海洋研究所, 教授 (40101464)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): EVERSTIGNEEV Limnological Inst. of Siberian Division, Ph. D. ; SIDEREVA V.J Zoological Inst. of Santo Peterusbing, Ph. D. ; PETROV V. Limnological Inst. of Siberian Division, Ph. D. ; CHERNYK L. Limnological Inst. of Siberian Division, Ph. D. ; GRACHEV M. Limnological Inst. of Siberian Division, Ph. D. ; KAMALTYNOV R Limnological Inst. of Siberian Division, Ph. D. ; 田辺 信介 愛媛大学, 農学部, 教授 (60116952) ; 天野 雅男 東京大学, 海洋研究所, 助手 (50270905) ; 益田 芳樹 川崎医科大, 医学部, 講師 (40069076) ; 菊地 義昭 茨城大学, 理学部, 助教授 (80007567) ; 西田 睦 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (90136896) ; 矢部 衛 北海道大学, 水産学部, 講師 (80174572) ; 後藤 晃 北海道大学, 水産学部, 助教授 (30111165) ; 益子 計夫 帝京大学, 文学部, 助教授 (00082321) ; 森野 浩 茨城大学, 理学部, 教授 (30091870) ; 東 正彦 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40183917) ; 和田 英太郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40013578) ; 沼知 健一 東海大学, 海洋学部, 教授 (30013569)
• Keywords: バイカル湖 / コミュニティー / 環境変動 / 進化系統 / 海綿 / ヨコエビ / カジカ / アザラシ

Research Abstract

本研究「バイカル湖におけるコミュニテイーと環境変動、進化系統に関する研究」では、日本研究者16名(3名の研究協力者を含む)およびロシア研究者5名の参加により、次の7研究課題を実施した。
(1)バイカル湖のセレンガデルタを中心にした沿岸域の無脊椎動物(ヨコエビ、ソコミジンコ、海綿)の分類学ならびに生態学的研究。
(2)バイカル湖内で多様に分化したヨコエビ類(Eulimnogammarus属)の進化系統に関する形態および分子生物学的研究。ドイツのベルリン自然史博物館およびハンブルグ大学自然史博物館に保管されているヨコエビ類の規準標本とバイカル湖で採集した標本との比較研究。
(3)バイカル湖内で多様に分化したカジカ類の進化系統に関する比較解剖、生活史、および分子生物学的研究。ロシアのサントペテルブルグ動物学研究所およびフランスのパリ自然史博物館に保管されているカジカ類の規準標本とバイカル湖で採集した標本との比較研究。
(4)渡り鳥を対象としたシベリア地域の有機塩素系化合物による環境汚染研究。
(5)炭素・窒素同位体比を用いたバイカル湖沿岸域の生態系における物質循環に関する研究。
(6)バイカルアザラシ、ワモンアザラシ、カスピカイアザラシの進化系統に関する形態および分子生物学的研究。米国のハーバード大学自然史博物館およびアラスカ大学自然史博物館に保管されているワモンアザラシの骨格標本と北極海のデイクソンで採集したワモンアザラシの比較研究。
(7)バイカルアザラシ、カスピカイアザラシ、ワモンアザラシに蓄積している有機塩素系化合物および重金属類の分析。
上記の研究成果は、原著論文41編、著書5編、報告書7編として公表されると同時に、学術講演(44回)として発表された。

Research Products

• [Publications] Tanabe,S.,et al.: "Enantiomeric ratios of α-hexachlorocyclohexane in blubber of small cetaceans." Marine Pollution Bulletin. 32(1). 27-31 (1996)
• [Publications] Amano,M.,et al: "Life history of Fraser′s dolphin,Lagenodelphis hosei,based on a school captured off the Pacific coast of Japan." Marine Mammal Science. 12(2). 199-214 (1996)
• [Publications] Kim,G.B.,et al.: "Accumulation of buthyltin compounds in Risso′s dolphin (Grampus griseus) from the Pacific coast of Japan : comparison with organochlorine residue pattern." Environmental Science & Technology. 30(8). 2620-2625 (1996)
• [Publications] 宮崎信之: "海洋汚染" 環境情報科学. 25(1). 54-56 (1996)
• [Publications] Pasten,L.A.,et al.: "Spatial and temporal distribution of motochondrial DNA variation in minke whales from Antarctic Areas IV and V." Rep.Intl.Whal.Commn.(in press).