1995 Fiscal Year Annual Research Report
日華区系の昆虫多様性の起源とその進化的発展に関する研究
Project/Area Number |
07041141
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
内藤 親彦 神戸大学, 農学部, 教授 (70031226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
董 大志 中国科学院, 昆明動物研究所, 助理研究員
張 文霞 中国科学院, 昆明動物研究所, 副研究員
熊 江 中国科学院, 昆明動物研究所, 研究員
初宿 成彦 大阪市立自然史博物館, 学芸員 (80260347)
八木 剛 兵庫県人と自然の博物館, 研究員
櫻井 一彦 成城大学, 短期大学部, 助教授 (80259118)
中西 明徳 姫路工業大学, 自然環境研究所, 教授 (40038469)
三枝 豊平 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (30038450)
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Keywords | 中国貴州省 / 日華区系要素 / 昆虫相 / 適応放散 / 系統解析 / 比較生態 / 核型進化 |
Research Abstract |
本年度は、7月中旬から8月下旬にかけて中国貴州省のほぼ全域において、種々の昆虫群を対象として、系統、行動、生態、遺伝等の調査を行なった。昨年の貴州省は6月に洪水にみまわれ、調査期間中の7月から8月にかけては雨が少なく、昆虫類の調査には良い条件とはいえず、十分な成果をあげるまでには至らなかった。そのような環境下で、チョウ類約130種約1000個体、オドリバエ、アシナガバエ、キノコバエ、タマバエなどのハエ類約5500個体、ハナノミなどの甲虫類約2000個体、ハバチ類80種約250個体および寄生蜂類約300個体、カメムシなどの半翅目類約200個体を採集するとともに、チョウ類4種の幼虫期の生態およびオトシブミ類数種の揺りかご形成習性を初めて明らかにした。ハバチ類では40種について核型を決定した。これらの資料については現在分析を進めており、属レベルでは各昆虫群で日本との高い共通性がみられ、この地域の日華区系要素の強さがうかがわれる一方で、1000m以下の低地では東洋区系要素である熱帯、亜熱帯型の昆虫類も多く、昆虫相は必ずしも単純ではない。種レベルでは、比較的よく調査された昆虫群では、その種多様性は日本に比べてはるかに大きく、日華区系のより中心部に近い地域であることが推察される。また、多数の新種や中国からの未記録種が含まれており、日本との共通種はむしろ稀で、系統の分化とその後の分布拡大の過程で種分化が頻繁に起こった事が示唆される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Naito,T.: "Phylogeny of the fern associated sawfly genus Strongylogaster Dahlbom (Hym.: Tenthr.)" Memoirs of the Entomological Society of Washington. 151-168 (1996)
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[Publications] Saigusa,T.: "The genus Diostracus from China (Diptera,Dolichopodidae)" Japanses Journal of Entomology. 64. (1996)
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[Publications] Nakanishi,A.: "Immature stages of Pseudergolis wedah (Koll.)" Transactions of the Lepidopterological Society of Japan. 46. (1996)
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[Publications] Nakanishi,A.: "Description of hitherto unknown,or little known immatures of nymphalid butterflies" Nature and Human Activities. 2. (1997)
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[Publications] Sakurai,K.: "Cradle formation behavour of an attelabid weevil Isolabrus sp.in Guizhou,China" Ecological Entomology. 22. (1997)