1996 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子レベル及び環境疫学からみたチリの胆嚢がんの成因研究
Project/Area Number |
07042003
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山本 正治 新潟大学, 医学部, 教授 (40018693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
IVAN Roa ラ, フロンテラ大学・医学部, 教授
ALFONSO Calv ソテロ, デル・リオ病院・外科, 部長
IVAN Serra チリ大学, 医学部, 教授
中平 浩人 新潟大学, 医学部, 助手 (40217758)
遠藤 和男 新潟大学, 医学部, 助教授 (60176790)
田島 和雄 愛知県がんセンター研究所, 部長 (30150212)
富永 祐民 愛知県がんセンター研究所, 所長 (30124530)
渡辺 英伸 新潟大学, 医学部, 教授 (70037381)
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Keywords | 胆嚢がん / チリ / 患者-対照研究 / p53遺伝子 / 胆汁 / 突然変異原性 |
Research Abstract |
チリにおける胆嚢がんの成因を遺伝と環境の両面から研究をしているが、昨年度からの継続している研究プロジェクトで今年度終了したものと現在進行中のものはその進捗状況についてまとめる。(1)Ames法によるヒト胆汁の突然変異原性に関する国際比較:チリ・テムコ市(胆嚢がん多発地域)の突然変異陽性率(back-groundの2倍で陽性)は新潟市(多発地域)と変わりないが、陽性と判定された胆汁の変異コロニー数は多かった。高知市(稀発地域)の胆汁は陽性率も低く、変異コロニー数は少なかった。具体的数値についてはMutation Research(371:73-77,1996)に記載した。(2)胆嚢がんの患者-対照研究:1:2(対照1:胆石有り、対照2:胆石無し)のマッチングした研究を昨年から継続しているが、現時点で114組の調査を完了した。予備的分析として90組のunivariate analysisを行った。この時点で興味深い所見は、唐辛子の摂取がrisk factorとして上がってきたことである。研究成果は、Revista Chilenade Cirugia(48:139-147,1996)に発表した。その後例数を集め、multivariate analysisを行う予定である。この患者-対照研究で示唆された唐辛子が真の危険因子か、単なる交絡因子(例えば唐辛子に付着したカビ、貧困・民族等と交絡の可能性あり)か不明であるため、更なる患者-対照研究を企画し、疫学の因果関係論で問題となる「関連の一致性」を確認する研究を開始した。現在41組を集めたが今後例数を増やし分析を行う予定である。(3)胆嚢がんのp53遺伝子の検索:チリの胆嚢がん18例の分析を完了した。18例中11例(61%)の12カ所のcodonにp53遺伝子変異を認めた。変異は全てtransition typeで、うち4例はCpG siteに生じていた。なおtransversionは認められず、日本の胆嚢がん症例と大きく異なる所見であった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Serra,I.,Endoh,K.,Yamamoto,M. et al.: "Cancer Vesicular:Estudio de Casos y Controles en Chile" Revista Chilena de Cirugia. 48・2. 139-147 (1996)
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[Publications] Serra,I.,Yamamoto,M. et al.: "Risk Factors for Gallbladder Cancer-Interantional Collaborative Case-Control Study" Cancer. 78・7. 1515-1516 (1996)
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[Publications] Nakadaira,H.,Ishizu,T.,Yamamoto,M.: "Effects of Selenium on Gallbladder Carcinogenesis by an Intracholecystic 3-Methylcholanthrene Beeswax Pellet in Female Syrian Golden Hamsters Cancer Letters" Cancer Letters. 106・2. 279-285 (1996)
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[Publications] Saito,A.and Yamamoto,M.: "Acute Oral Toxicity of Capsaicin in Mice and Rats" J.Toxicol.Sci.21・3. 195-200 (1996)
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[Publications] Mano,H.,Roa,I.,Yamamoto,M.et al.: "Comparison of Mutagenic Activity of Bile between Chilean and Japanese Female Patients Having Cholelithiasis" Mutation Research. 371. 73-77 (1996)
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[Publications] Mano,H.,Nakadaira,H.,Yamamoto,M.et al.: "Mutagenicity of 24-Hour Duplicate of Japanese Diet" Mutation Research. 370. 203-208 (1996)
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[Publications] 山本正治: "疫学テキストー重要疾患の疫学と予防(分担執筆)" 南江堂(印刷中), (1997)