1995 Fiscal Year Annual Research Report
タイ国及び日本における環境教育のあり方及び推進に関する共同研究
Project/Area Number |
07044006
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
川嶋 宗継 滋賀大学, 教育学部, 教授 (90093161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHANTONG Kan ソンクラ大学, 教育学部, 助教授
CHAISORN Sir チャンマイ大学, 教育学部, 助教授
小林 健太郎 滋賀大学, 教育学部, 教授 (60024923)
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Keywords | タイ / 環境教育 / 水環境 / 体験学習 / 環境学習教材 / 学校教育 / 実践授業 / 簡易測定器具 |
Research Abstract |
本年度から研究を開始したが,タイにおける研究フィールドは遠く離れた南北の2地域(チェンマイ,パッタニ)にあるため,まず、6月に代表者及び分担者が一同に会し,全体計画の構想を基に3カ年の計画を綿密に立てた。最終目標をタイにおける教師のための環境教育の指導書と児童・生徒のための学習ノートの作成におくことを再確認し,研究を開始した。本年度は基礎的な研究の年度として位置づけ,相互の学校訪問・現場の教師との交流・環境教育授業の視察・環境教育のフィールドの視察・これまでに作成した環境教育教材の交換を行った(6月と1月:日本→タイ,10月:タイ→日本)。視察の結果,具体的な児童・生徒の体験学習の場として,チェンマイではピン川及びその流域と森林地帯,パッタニではマングローブ林とパッタニ川及びその流域を選び,これらの場に適した教材を中心に開発していくことにした。本研究には,教育委員会・学校現場の協力が欠かせないが,タイにおける研究組織(プロジェクトチーム)はしっかりとできており研究を進めることに支障はない。しかし,環境教育の必要性や理念に関しては進んだ議論が展開できるが,方法論,特に教材の開発や実践授業についてはこれからの大きな課題である。野外や教室内で簡単にできる調査器具を開発し,それぞれの地域環境の実状に応じた体験に基づく環境学習の必要性を強く感じたが,日本において代表者はらが進めている研究が大いに活かされると期待できる。6月にタイを訪問した際,代表者分担者・教師との議論をおこなうとともに,短時間ではあったが,中・高生と直接対話し,代表者らが開発した比色計の応用について説明する時間をもつことができたが,こういった活動も今後続けていきたい。また、来年度(7月末),チェンマイで教師のための環境教育研修会をおこなうことを約束したが,できればできるだけ多くの教師を対象にした研修会にしたいと思っている(国際湖沼環境委員会との共同で開催することも検討している)。昨年10月には茨城県で開催された第6回世界湖沼会議の環境教育のセッションにおいて,これまでにおこなってきた研究成果を発表し,他国の研究者や教育者と環境教育の進め方について議論できた。
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