Research Abstract |
本年度は,昨年度から継続している環境教育教材の開発をさらに進め,特に,タイにおいて,現職教員に環境教育の重要性の啓発,環境学習教材の普及を中心にけんきゅを進めた。まず,研究代表者らは8月にタイ国を訪問し,研究分担者らと研究の進捗状況を報告しあった後,平成8年8月7日〜9日の3日間,研究対象地域のlつであるチェンマイにおいて,現職教員のための環境教育トレーニングコースを開催した。非常に多くの参加希望者があったが,予算や施設の関係で30名に制限することを余儀なくされたことは残念である。このコースでは講義だけでなく,本研究で重視している子どもたちの体験学習に活かすために,自然環境の視察や環境問穎の調査に重点をおいた。特に,河川の水質,ゴミ問題,大気汚染に重点をおいたが,その中で開発・工夫した簡単な調査器具を使ったモニタリング方法を紹介した。関心があっても普段見ることがでさない場所を訪問でき,環境問題の現実にふれることができ,参加者から感謝と高い評価を得た。来年度もできれば開催したい。さらに,平成9年1月には,もう1つの研究対象地域であるパッタニにおいても,2日間の短期環境教育トレーニングを開催した。タイでは,体験学習をベースとした環境教育に関する経験が乏しく,トレーニングコースを通して,環境教育教材や環境教育に適したフィールドを提示できたことは大きな成果である。12月には,タイから研究分担者らを招聘し,研究会を開き,本年度の反省と来年度の研究計画を密に討論した。また,こういった経験を踏まえて本研究の主要な目的である教師のための環境教育指導指針の作成にも着手することができた来年度には,環境教育指導書を完成させ,さらに環境教育を推進する予定である。また,来年度の10月に予定されている世界湖沼会議の環境教育セッションや11月の滋賀大学国際シンポジウムで成果を発表する予定である。
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