1997 Fiscal Year Annual Research Report
中国砂漠地帯における文化財の保存対策に関する共同研究
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07044016
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Research Institution | TOKYO NATIONAL RESEARCH INSTITUTE OF CULTURAL PROPERTIES |
Principal Investigator |
宮本 長二郎 東京国立文化財研究所, 国際文化財保存修復協力センター, センター長 (60261252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 最雄 中国敦煌研究院, 保護研究所, 所長
朽津 信明 国際文化財保存修復協力センター, 研究員 (90015248)
松本 修自 国際文化財保存修復協力センター, 室長 (80099960)
西浦 忠輝 国際文化財保存修復協力センター, 室長 (20099922)
増田 勝彦 東京国立文化財研究所, 修復技術部, 部長 (40099924)
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Keywords | 中国 / 砂漠地帯 / 文化財保存 / 敦煌莫高窟 / 壁画保存 / 修復技料 |
Research Abstract |
敦煌研究院で20年以上行っている、壁画修復方法の調査を行い、ビデオ記録を作成した。 また、現地で泥下地の再現実験を行い、合成樹脂による泥璧の接着改良、強度補強等の試験をした。53窟北璧下部の岩盤露出部でも実験した。 合成樹脂は非常に低濃度で処置するので、樹脂の種類による強度差は顕著に見られなかった。むしろ、作業性に関与すると思われる。ただ、より安定性の良い樹脂や浸透性の改善が選択できると思われる。それらの結果を併せて検討をし、土壌の性質が予想以上に、修復後の効果に関係があることの結論を得たので、様々な角度から土壌の性質を把握することとした。 土壌調査 壁画修復方法の調査と、試験施工によって、土壌調査の重要性が確認されたため、敦煌研究院が採取した土壁試料に対して、土壌の空隙率、粒度分布、鉱物組成についての分析、および液性限界、塑性限界、透水性、透気性、についての測定を行った。その結果、我が国の通常の土と比較して、液性限界、塑性限界が共に低く、塑性指数も著しく低いことが判明した。
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