1996 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア文化と近代法--日本と韓国の比較研究を通して--
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07044022
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
今井 弘道 北海道大学, 法学部, 教授 (00093188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 吉俊 延世大学校, 法科大学, 教授
実方 謙二 神戸学院大学, 法学部, 教授 (50061106)
厚谷 襄兒 北海道大学, 法学部, 教授 (90222637)
孫 珠ちゃん 延世大学校, 法科大学, 講師
徐 元宇 ソウル大学校, 法科大学, 教授
韓 堅愚 延世大学校, 法科大学, 副教授
安田 信之 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (00242884)
梁 承斗 延世大学校, 法科大学, 教授
向田 直範 北海学園大学, 法学部, 教授 (90104695)
稗貫 俊文 北海道大学, 法学部, 教授 (70113610)
鮎京 正訓 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (40126826)
中村 睦男 北海道大学, 法学部, 教授 (30000665)
鈴木 賢 北海道大学, 法学部, 助教授 (80226505)
五十嵐 清 北海道大学, 名誉教授 (00000646)
千葉 正士 東京都立大学, 名誉教授 (30083306)
和田 建夫 小樽商科大学, 商学部, 教授 (20133796)
金 昌禄 釜山大学校, 法科大学, 専任講師
沈 在宇 高麗大学大校, 法科大学, 教授
崔 鐘庫 ソウル大学校, 法科大学, 教授
金 哲洙 ソウル大学校, 法科大学, 教授
鈴木 敬夫 札幌学院大学, 法学部, 教授 (50047908)
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Keywords | 家族国家観 / 市民社会-国家 / 日韓の家族制度 / 日韓の国家観 / 隣人訴訟 / 韓国儒教 / 日本儒教 / 公正去来(取引)法 |
Research Abstract |
今年度の(1)法哲学は、調査研究実績欄に示したように、(1)日本の近代国家形成の中での「家族国家観」がもった意味を、一方で近代に一般的と考えられている市民社会-国家の二元論的枠組との関係でその特徴を見るとともに、他方で、日本と韓国の家族制度の差異の中にこの「家族国家観」を意味づけ、日韓の家族制度の差異と国家観の差異の関連についての基本的な問題視角を共有した。(2)隣人訴訟を手掛りに、日・中・韓における法概念と地域・近隣関係の観念の関係を検討した。(3)また以上の問題を、韓国における儒教と法の関連、韓国儒教--および中国儒教--と日本儒教の異同という問題を関連させた。(4)戦後各国の法哲学思想の概要について、代表的法哲学者である黄山徳の法哲学を軸に検討した。(5)韓国における現代法文化の基本的特徴とそこから生じてくる実践的問題に関する特徴について、日本現代法文化との比較の中で検討した。 (2)経済法については、(1)「韓国の公正去来(取引)法の改正問題」を軸として、日韓の公正取引法全般にわたる比較法的検討を行うとともに、(2)日本の経済法をめぐる現代的諸問題についての個別的報告がなされ(調査研究業績欄参照)、それぞれの問題について、日韓の問題状況の現状が比較・検討された。 両班を通じていえることであるが、これまでの学問的・人的交流の中で、問題意識が共有され、その都度展開される議論の内容が、飛躍的に具体的なものになってきた。また、両国のそれぞれで開催される研究会に、固有のメンバー以外の研究者の参加もあり、本プロジェクトの枠組を超えた研究交流も活発になさるに至っている。以上の研究業績については、いずれ活字化されようが、討論についても、記録と活字化の可能性の余地があるかも知れない。検討課題である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 今井弘道: "アジア法哲学の課題と展望" ジュリスト. No.1107. 73-78 (1997)
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[Publications] 千葉正士: "漢字文化圏における固有法と近代法-とくに韓国と日本との比較-" 北大法学論集. 47巻5号. 430-447 (1997)
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[Publications] 金哲洙(岡克彦訳): "韓国における人権論の導入と展開" 北大法学論集. 47巻5号. 448-470 (1997)
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[Publications] 中村睦男: "日本における欧米からの人権観念の導入と展開" 北大法学論集. 47巻5号. 471-481 (1997)