1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07044186
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
星 元紀 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (20012411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PEIJUN Zhang 中国科学院, 海洋研究所, 教授
西駕 秀俊 東京都立大学, 理学部, 助教授 (60131918)
大日方 昴 千葉大学, 理学部, 教授 (40012413)
森沢 正昭 東京大学, 理学部, 教授 (40013594)
千葉 和義 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (70222130)
松本 緑 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (00211574)
西田 宏記 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (60192689)
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Keywords | ナメクジウオ / 原索動物 / 筋肉分化 / トロポニンT / 卵成熟 / 精子の運動能獲得 / 実験動物化 / ホメオボックス遺伝子 |
Research Abstract |
日本側は初めてナメクジウオに触れたわけであるが、その取り扱いにかなり習熟した。また、青島の実情も把握し、青島側との友好的協力関係も確立し、今後の共同研究がスムースに行える体制が出来た。生きた配偶子や胚を使える時期の制約が、予想以上に厳しいことが判明する一方、入手可能な材料が予測以上に豊富である事も明かになった。中国政府の方針により、生きた成体の持ち出しが許可になっていないが、速やかな解決を目指して、中国科学院を通じて引き続き交渉中である。筋肉分化、ホメオボックス遺伝子、精子運動能獲得、卵成熟などに関し、以下のような重要な手掛かりを得た。 1)ホヤのトロポニンTに対するモノクローン抗体を用いたイムノブロット法により、ナメクジウオ横紋筋に存在する筋調節蛋白質トロポニンTを分子量約25kDaの蛋白質であると同定した。これは、ホヤや脊椎動物のトロポニンTに比してサイズが小さい。分子構造の解明に向けて、ナメクジウオ筋cDNAのクローニングを進めている。トロポニンTを指標とした発生過程での筋形成の研究のために、中国側研究グループに上記抗体を供給した。 2)LIMクラスホメオボックス遺伝子に対するプライマーを用いて、ナメクジウオのゲノムDNAに対してPCRを行ない、ホヤのLIMクラスホメオボックス遺伝子に対しクロスハイブリダイズするものを見出した。目下、この遺伝子の単離を目指して努力中である。 3)放精・放卵に先立って砂中から泳ぎ出て来る直前に、精巣中の精子は運動能を獲得し、卵巣中の卵子は成熟することを明らかにした。 4)実験動物中を目指し、実験室内における継代飼育を小規模ながら青島側で開始し、引き続き進行中である。日本側でも、継代飼育の準備を整え生きた成体の持出許可をまっている。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] N.Akita and M.Hoshi: "Hemocytes Release Phenoloxidase upon Contact Reaction, an Allogeneic Interaction,in the Ascidian Halocynthia roretzi" Cell Struc. Func.20. 81-87 (1995)
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[Publications] K.Chiba,F.J.Longo,K.Kontani,T.Katada and M.Hoshi: "A Periodic Network of G Protein bg Subunit Coexisting with Cytokeratin Filament in Starfish Oocytes" Dev. Biol.169. 415-420 (1995)
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[Publications] Nagaoka.R,Kusano,K.,Abe,H.,and Obinata,T.: "Effects of cofilin on actin filamentous structures in cultured muscle cells.Intracellular regulation of cofilin action" J. Cell Sci.108. 581-593 (1995)
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[Publications] Wada,S.,Katuyama,Y.,Yasugi,S.,and Saiga,H.: "Spatial and temporally regulated expression of the LIM class nomeobox gene Hrlim suggests multiple distinct functions in development of the ascidian,Halocynthia roretzi" Mech. Dev. 51. 115-126 (1995)
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[Publications] Noburu Sensui and Masaaki Morisawa: "Effect of Ca^<2+> on deformation,polar body extrusion and pronucleus formation in the egg of the Ascidian,Ciona savignyi" Dev. Growth Differ.(in press).
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[Publications] Hiroki Nishida: "Determination at the last cell cycle before fate restriction." Zoological Science. 13. 15-20 (1996)
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[Publications] M.Hoshi: "In"Sixth Lake Shirakaba Placenta Conference 1994 Biology of Pregnancy" Allogeneic recognition in ascidian fertilization" Keiseisha, 106 (1995)
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[Publications] K.Chiba and M.Hoshi: "In"Progress in Cell Cycle Research Vol.1"" Plenum Press (in press), (1995)
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[Publications] 大日方 昴: "新筋肉病学 筋タンパク質の発現と筋原繊維形成" 南江堂, 946 (1995)