1996 Fiscal Year Annual Research Report
免疫・アレルギー疾患の発生およびその対策に関する日中共同研究
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07045054
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松下 敏夫 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10022790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
趙 麗娟 中国医科大学, 教授
姚 興家 中国医科大学, 教授
宋 芳吉 中国医科大学, 教授
丁 桂英 中国医科大学, 教授
三好 逸男 鹿児島大学, 医学部・付属病院, 助手 (80253871)
胥 宝会 鹿児島大学, 医学部, 助手 (00264408)
青山 公治 鹿児島大学, 医学部, 講師 (70117472)
神崎 保 鹿児島大学, 医学部, 教授 (80118801)
松山 隆美 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30145479)
大山 勝 鹿児島大学, 医学部, 教授 (70024677)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / 皮膚免疫疾患 / 職業アレルギー / 免疫学 / アレルギー学 / 疫学 / 接着分子 / サイトカイン |
Research Abstract |
前年度に引き続き、鹿児島大学医学部から青山公治等3名が8月16日から9月8日までの間中国を訪問し、中国医科大学で職業アレルギーの現地疫学調査、皮膚アレルギーの臨床疫学調査、免疫・アレルギー疾患に関する学術講演を行った。また、北京医科大学を訪問し、免疫・アレルギー疾患の学術講演を行ったほかに、今後両大学の共同研究について具体的な課題、詳細な計画等を話した。中国医科大学からは姚興家・趙麗娟両教授は11月訪日し、今まで得られた成果および今後の進め方について意見および情報の交換を行った。今年度では、日中間で慢性関節リウマチ、皮膚アレルギー疾患、職業アレルギー疾患等の免疫疾患に関して臨床、疫学、免疫学、免疫遺伝学などの面から検討したとともに、化学物質の感作性の予知におけるサイトカイン解析の有用性を実験的にアプローチした。 平成8年度の研究では、下記の新たな知見が得られた。(1)慢性関節リウマチに関しては、種々の抗滑膜細胞の単クロン抗体を作成し、免疫組織化学的手法を用いて検討した結果、C45抗原が慢性関節リウマチの滑膜に特異的に発現することが認められた。また、リウマチの滑膜病変における可溶性VCAM-1の発現およびその意義を初めて明らかにした。(2)免疫・アレルギー皮膚疾患に関しては、共通皮膚貼付試験の導入により、アレルギー性接触皮膚炎の起因抗原について日中間の相違を明らかにした。また、異なる免疫皮膚病についてHLA検索した結果、中国人における乾せん症、天庖そうなどの発症は特定のHLAタイプと関連することが見られた。(3)中国の某アルミニウム精錬工場において、接触皮膚炎を含む皮膚疾患の疫学調査を実施した。その結果、アルミニウム精錬作業者では、皮膚色素沈着、紅斑、発赤、丘疹の有症率は対照群に比べて高かったことが認められた。また、職種で見ると、電解工程、陽極工程、鋳造工程は他の工程より高かったことを明らかにした。さらに、上記の症状の有症率は年齢とは関係せずに、作業年数の増加に伴い増加した。(4)動物実験では、感作マウスのリンパ節におけるサイトカインmRNAの発現をRT-PCR法で解析した結果、in vivoではTh1細胞のサイトカイン特にIFN-gammaのmRNAは菅感作の前期に強く発現したが、Th2細胞のサイトカイン特にIL-4mRNAは感作の後期に強く発現したことを認めた。感作後の6日後には、Th1およびTh2細胞のサイトカインのいずれにおいては、発現したことが分かった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 福田勝則: "鼻粘膜由来各種培養細胞のサイトカインmRNA発現に及ぼすマクロライド系薬剤の影響" 気道食道科学会会誌. 47(2). 189-192 (1996)
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[Publications] Kanzaki T et al: "Human T lymphotropic virus-i (HTLV-I) infection" Austral J Dermatol. 37(3). 187-193 (1996)
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[Publications] Xu BH et al: "RT-PCR analysis of in vivo cytokine profiles in murine allergic contact dermatitis to DNCB" Toxicol Methods. 6(1). 23-31 (1996)
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[Publications] Kitani A et al: "T cells bound by vascular cell adhesion molecule-I/CD106 in synovial fluid in rheumatoid arthritis" J Immunol. 156(6). 2300-2308 (1996)
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[Publications] Matuyama T & Kitani A: "Molecular basis for cell adhesion: the role of VCAM-1 molecule in the pathogenesis of rheumatoid synovitis" Human Cell. 9(3). 187-192 (1996)