1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07206103
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
林 忠行 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (90156448)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩下 明裕 山口県立大学, 国際文化学部, 助教授 (20243876)
秋野 豊 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (70142677)
横手 慎二 慶応義塾大学, 法学部, 教授 (00220559)
伊藤 孝之 早稲田大学政治経済学部, 教授 (30002140)
|
Keywords | ロシア / CIS / 東欧 / NATO / EU / 口中関係 / 人の移動 |
Research Abstract |
前年度に引き続いて、ロシアを中心とする旧ソ連地域諸国と東欧諸国の対外政策の展開過程、および政府、諸政治勢力、知識人たちの対外認識を、新聞・雑誌などの資料などの資料から分析する作業を行った。また、文部省科学研究費補助金国際学術研究「東中欧地球国際関係の変動」(代表:林中行)と連動しながら、現地で政府関係者、政党・雇用者団体・労組などの指導者や知識たちとのインタビューを行った。 ソ連崩壊後のロシア連邦は、CIS諸国の統合およびNATO東方拡大阻止などの、エネルギー供給などを政治的な資源として進めようとしている。しかし、そうした外交目標は成果をあげることができず、また連邦内でもチェチェン紛争などの遠心力を押さえ込むことができないでいる。そうした現実を反映し、ロシア・エリートの対外認識は、自己の能力の限界を強く意識する現実主義的傾向を強めている。また、東欧諸国でも、体制変動初期に見られた理想主義は後退し、NATO加盟による安全保障の確率を追求する現実主義が、政府・言論界で優位を占めるにいたった。 「近い外国」からロシアへのロシア人の移動、ウクライナ人労働者の東欧への流入、もしくは中国人のロシア極東への流入など、人の移動という観点からも興味深い現象が現れており、そうした観点からの国際関係の変動分析も、本年度の研究成果であった。 上記国際学術研究と共同で、平成8年7月に、中・東欧地域国際関係に関する国際シンポジウムを、また同9月にスラブ地域における国民・国家・体制形成についての国際ワークショップを組織し、その成果を成果を平成9年3月に出版した。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] 林 忠行: "チェコ共和国の大統領と政府" 日本国際問題研究所偏『東欧諸国の大統領と政府』. 57-70 (1996)
-
[Publications] 伊東 孝之: "ロシア東欧諸国の大統領制" 日本国際問題研究所偏『東欧諸国の大統領を政府』. 11-32 (1996)
-
[Publications] 秋野 豊: "地域紛争の行方-チェンチェン紛争を中心に" 『NIRA政策研究』. 9.6. 26-29 (1996)
-
[Publications] 秋野 豊: "政治体制の変容とロシア外交-『近い外国』への政策を中心にして" 『世界週報』. 77. 23. 27-33 (1996)
-
[Publications] 秋野 豊: "中央アジアの震源地として残るチェチェン" 『世界週報』. 77・ 42. 18-21 (1996)
-
[Publications] 横手 慎二: "ロシアの国境政策一対CIS諸国との関係を中心にして" 皆川修吾・家田修編『スラブ・ユーラシアの変動-その社会的・政治的諸局面』(北大スラブ研究センター). 151-162 (1996)
-
[Publications] Hayashi, Tadayuki (ed): "The Emerging New Regional Ordler in Center in Central and Eastern Europe" Slavic Research Center, Hokkaido Univ., vii+374p (1997)
-
[Publications] Hayashi, Tadayuki (ed): "Buiding Nation, State and Regime : Some Post-Communist Examples" Slavic Research Center, Hokkaido Univ., vi+131 (1997)