1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07276104
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
岡田 泰伸 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (10025661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森吉 弘毅 京都大学, 医学部, 助手 (50263091)
豊島 近 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (70172210)
鈴木 誠 自治医科大学, 助教授 (10196868)
佐々木 成 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (60170677)
井本 敬二 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (00176512)
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Keywords | イオンチャネル / 水チャネル / トランスポータ / カルシウムポンプ / 構造・機能相関 / クローニング |
Research Abstract |
本研究班ではイオンチャネルや水チャネルなどの「チャネル」と、キャリアやポンプなどの「トランスポータ」の構造と機能の相関関係をアミノ酸変異導入やキメラ作製などによって(特にチャネルのポアとトランスポータの透過路の同定・比較を軸に)研究し、総合的な新パラダイムを産み出すことを目的にしている。本年度は具体的に次のような研究成果を得た。(1)薬物排池ポンプであるP糖蛋白が、細胞膨張下での容積調節に関与する容積感受性Cl^-チャネルにスイッチするという仮説及びその後に出されたCキナーゼを介してこのチャネルに制御蛋白として働くという新仮説の両方が内因性のみならず外来性P糖蛋白においても成立しないこと、しかしながら外来性P糖蛋白は本チャネルの容積感受性を高めること、などをはじめて明らかにした。(2)水チャネルAQP2について、site-directed mutagenesisとキメラ作成法によって、その構造と機能の対応を明らかにした。また、大腸菌から新しいAQPファミリー(AQP-Z)をクローニングした。(3)電位作動性Ca^<2+>チャネルのG蛋白による制御様式はNタイプとP/Qタイプで大きく異なることを明らかにした。(4)脳型ClC-3が神経芽腫細胞のみならず乳腺分泌細胞においても発現していることが見出された。(5)NMDA型グルタミン酸受容体チャネルの細胞内領域にカルモデュリンが直接結合することを明らかにした。(6)筋小胞体Ca^<2+>ポンプの三次元構造解析を行い、そのATP結合部位を同定した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 岡田泰伸ら: "Sensitivity of volume-sensitive Cl^- conductance in human epithelial cells to extracellular nucleotides." American Journal of Physiology. 271. C1872-C1878 (1996)
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[Publications] 佐々木成ら: "Structure of aquaporin-2 vasopressin water channel." Journal of Biological Chemistry. 271. 5171-5176 (1996)
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[Publications] 井本敬二ら: "Ca^<2+> buffering and action potential evoked Ca^<2+> signalling in dendrites of pyramidal neurons." Biophysical Journal. 70. 1069-1081 (1996)
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[Publications] 森吉弘毅ら: "Labeling living neurons by adenovirus-mediated gene transfer of modified membranetargeted green fluorescent protein." Neuron. 16. 255-160 (1996)
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[Publications] 豊島近ら: "Lamellar stacking in three-dimensional crystals of Ca^<2+>-ATPase from sarcoplasmic reticulum." Biophysical Journal. 70. 1689-1699 (1996)
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[Publications] 山岸俊一ら: "Expression cloning and signal transduction pathway of P_<2U> receptor in mammary tumor cell." Biological Signal. 5. 9-21 (1996)
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[Publications] 岡田泰伸: "パッチクランプ実験技術法" 吉岡書店, 185 (1996)
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[Publications] 岡田泰伸: "最新内科学大系2.科学としての内科学 チャネルとトランスポータとその異常" 中山書店(井村裕夫ら編), 372(内12ページ分担) (1996)