1995 Fiscal Year Annual Research Report
1995年10月九重火山の水蒸気爆発の発生機構と火山活動推移の調査・研究
Project/Area Number |
07300017
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小林 芳正 京都大学, 理学部, 教授 (80027284)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江原 幸雄 九州大学, 工学部, 教授 (10002346)
渡辺 一徳 熊本大学, 教育学部, 教授 (10040049)
清水 洋 九州大学, 理学部, 助教授 (50178985)
平林 順一 東京工業大学, 火山観測所, 助教授 (30114888)
須藤 靖明 京都大学, 理学部, 助教授 (40025466)
|
Keywords | 九重火山 / 水蒸気爆発 / 火山活動 / 噴火材構 / 地盤変動 / 地震活動 / 地磁気変化 / マグマ |
Research Abstract |
噴火後,急速,地震・地磁気・測量・温度などの観測点を硫黄山地域に多数点設営した.これは,火山活動の状況を把握し,噴火機構の解明が目的である.九重火山地域で発生している地震活動には次の特徴があった.(1)多くの地震は,今回生成した新火口列にはなく,従来からあった硫黄山の噴気地域に集中し,非常に浅い.この震源域は辺長測量の収縮測線の地下に当たり興味深い.(2)新火口列の南側には地震がほとんど発生していない。新火口列が断層に沿って開口したことと関係してるものと思われる.(3)地震の規模が極めて小さい.(4)発震機構は一定でない.(5)火山灰が噴出した期間の震源は、新火口列北側直下の深さ2kmまでの範囲に,明瞭な鉛直的分布を示した.(6)硫黄山のすぐ西地域で発生する地震の震源は,硫黄山の地震活動の震源よりも比較的深く,硫黄山に近づくにつれ浅くなる傾向が顕著である.(7)筋湯付近で発生する地震は,中部九州地域の地殻活動によるもので,発震機構もそれを示している.九重火山における地盤変動観測は,辺長測量・測角測量・ドライティルト・傾斜計観測・GPS測量を実施した.GPS測量は広域変動を対象とし,GPS測量以外の観測点は,新火口列の北側に分布している.繰り返し測量によると,新火口列の北側にある辺長測量網は縮みの傾向が継続し,測点の北東方向への変位が,水平角測量からも確かめられている.縮み速度は3cm/月から4.5cm/月である.地磁気観測によれば,大きな変化は観測されていないが,12月20日ころに帯磁傾向から消磁傾向に転じたことが認められた.火山灰の分析からは,マグマ物質が,地下2km〜5kmまで浅い所まで,12月中旬に達していることがわかった.火山ガスの分析からは,高温ガス成分が卓越してきたことが認められた.
|
Research Products
(2 results)