1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07301020
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
米川 茂信 淑徳大学, 社会学部, 教授 (90137836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 實 國学院大学, 法学部, 教授 (30146740)
矢島 正見 中央大学, 文学部, 教授 (60146959)
松下 武志 京都教育大学, 教育学部, 教授 (20004062)
広瀬 卓爾 佛教大学, 社会学部, 教授 (60054673)
星野 周弘 科学警察研究所, 防犯少年部, 部長(研究職)
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Keywords | 成熟社会 / 人びとの意識の成熟状況 / 逸脱観 / 逸脱行為 / 社会統制 / 逸脱現象 / 社会的反作用 / 教育観 |
Research Abstract |
日本社会の成熟化に関する人びとの意識と逸脱(者)観に関して、以下のような知見が得られた(調査対象は、一般成人、中・高生、中学・高校教員、警察官の4グループ。主たる調査地域は青森、仙台、東京の3地域)。 1.概して、人びとは日本社会の成熟化を肯定的に捉えている。仕事や余暇、健康や生涯学習、大学進学などの面での成熟社会化に対してとくに肯定的である。福祉や国際化、個人の自由・人間関係のあり方などの面での成熟社会化にも比較的肯定的である。ただし、中・高生において、肯定の度合いは概して低い。 2.日本社会の成熟化に伴って、個人の自由や自己主張、性道徳抵触行為などが容認される傾向にあり、反対にプライバシーの侵害や迷惑行為、反福祉的行為などが逸脱視される傾向にある。働きすぎとフリータ-がともに逸脱視される傾向も認められる。また、いじめについては、これを放置する親の行為も逸脱視されている。 3.逸脱行為に対する人びとの統制態度は、行為者よりも行為の特徴によって変化する傾向にある。犯罪行為に対して警察の取り締まりを中心とした厳しい統制態度をとり、迷惑行為や反福祉的行為に対しては、比較的緩やかな統制態度をとる傾向にある。また、プライバシーの侵害やいじめの放置に関しても、厳しい統制態度をとる傾向にある。行為者の特徴では、犯罪前歴のある者や暴力団員に対してより厳しい統制態度をとる傾向にある。 4.違法行為に対する統制方法として「警察による取り締まり」を求める傾向が、被害者なき性犯罪、酩酊、マイナ-・オフェンス、過失などにおいて指摘される。また、行為や行為者の特徴に関係なく、警察に逮捕された段階で当該行為者を犯罪者とみなす傾向が依然として指摘される。マイナ-・オフェンスの行為者に対しては、人びとのうわさで犯罪者とみなす傾向も指摘される。
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